リアルとネットでビジネスマッチングの効率化へ--世界最大の展示会「CeBIT」運営者に聞く - (page 2)

インタビュー:坂本純子(編集部)
文:Emi KAMINO
2007年10月17日 09時04分

──新しいITビジネスチャンスを求める場としてのCeBITの立ち位置についてお聞かせください。

 CeBITはアジアからの出展率が高く、ヨーロッパに進出したいアジアの企業にとって、CeBITはヨーロッパの大きなバイヤーにアクセスする上で、非常に効率のいいプラットフォームだと思います。また、バイヤーにとっても、CeBITは業界のすべての分野の人が集まる展示会で、まさにワンストップショッピングの場所だと思います。

──2008年のCeBITは“グリーンIT”が大きなテーマとして掲げられてます。CeBIT自体のITインフラで実践していることもしくは今後の取り組み予定は?

 CeBITというのは、ショーが開催されている期間というのはソサエティーそのもので、通常の都市と同じぐらいの電力を必要とするわけです。そこで、電力の節約、ゴミの節減について時間をかけて検討しました。具体的には、ドイツメッセ内でいちばん新しいホールの中には“自動クーリングシステム”が導入されています。これは会場の上部に“インテリジェントウィンドウ”というものがあり、会場内の熱気を自動で外に放出し、新鮮な空気を中に自動で取り込むことにより、空気の循環を促し、会場内の温度を適温に保つというもので、窓を自動で開閉するのにインテリジェント技術が使われています。

 通常、エアコンは、会場内で使用している機器のなかでも消費電力がもっとも高いものですが、このシステムによりエアコンは必要ありません。結果、ホール内におけるエネルギー消費は、通常のエアコンを使った場合よりも75%の削減を達成することができ、今後他のホールにも順次導入していく予定です。また、ドイツメッセの本社も“エコビルディング”と呼ばれる建物で、すべての窓が“電子カーテン”で仕切られ、太陽の状況に応じてセンサーで窓が自動で開閉する仕組みや、水を使って空気を冷却するエアーコンディショニングシステムなどが取り入れられています。こうしたインテリジェント技術により、環境配慮型のインフラを提供するのが我々が考える“グリーンIT”ということです。

──ほか、2008年の見所は?

 会場では、「インテリジェントハウス」という、小型の一軒の家にIT技術を集約したプレゼンテーションがあります。日本にある松下電器のHII(Home Information Infrastructure)コンセプトハウスに似たようなコンセプトハウスのようなものです。そこではヨーロッパでまだ発表されていない技術も採用される予定で、私も楽しみにしています。

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