CeBIT 2007では、物議を醸しているGalileoプロジェクトなどの地理情報システムが大きなテーマになりそうだ。Galileoプロジェクトは、欧州における衛星測位システムで、米国が進めている全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)計画と同様の取り組み。
CeBITはドイツのハノーバーで、現地時間3月15日から3月21日まで開催される。2006年の来場者5000人をサンプルに調査を行った結果、地理情報システム(Geographic Information System:GIS)が主要な興味分野であることが示され、2007年は主要トピックになることが決まった。
CeBITのシニアバイスプレジデントSven Prüser氏は「調査の結果、欧州からの来場者は、GPSから独立した地球規模のナビゲート衛星システムを構築することが重要だと考えていることが分かった。GPSのサービス品質が保証されていない点が決定的だ。GPSはもともと米軍のために構築されたシステムで、当然、米軍には必要に応じてシャットダウンしたり軍用に信号の調整をしたりする権限がある」と述べた。
一方、欧州連合とヨーロッパ宇宙機関(European Space Agency)が2010年までの運用開始を目指し構築しているGalileoは、民間用システムになる。Prüser氏によると、Galileoは「高いサービスレベルを保証するとともに、インドや中国などと協力して構築しているためより多くの衛星を世界中のさまざまな場所に配置でき、測量がより正確になる」のだという。
このため、Galileoはビジネス上の大きな関心事となるというのが同氏の考えで、貨物輸送、車両管理、輸送管理などの分野への応用により、新製品やサービスを開発する機会を数多く提供することになるという。
これを受けて、CeBITは「CeBIT in Motion」というフォーラムエリアを設置し、ナビゲーションとテレマティックスの分野についてさまざまな展示を行う。なお、テレマティックスとはtelecommunication(電気通信)とinformatics(情報科学)の技術を組み合わせた分野であり、製品例としては車載GPSや「OnStar」などがある。フォーラムでは、各分野の専門家によるプレゼンテーションとパネルディスカッションを用意し、GalileoのプログラムディレクターMartin Ripple氏や、European GNSS Supervisory AuthorityのエグゼクティブディレクターPedro Pedreira氏などが基調講演を行う。
GNSSは以前International GPS Serviceと呼ばれていたもので、 世界各国から200以上の団体が参加する。GNSSでは、GPSやロシアのGPS類似システムGlonassのリソースや衛星情報を蓄積して地球科学の研究や教育などに利用している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス