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モバイルWiMAX参入を狙うドコモとソフトバンク、両陣営の戦略はどう違うか - (page 2)

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ソフトバンク陣営の子会社はインフラに特化

 ソフトバンクとイー・アクセスが推進するモバイルWiMAX事業は、両社の子会社であるオープンワイヤレスネットワーク(OpenWin)が担当する。

ソフトバンク宮川氏とイー・アクセス深田氏 オープンワイヤレスネットワーク取締役CEOの宮川潤一氏(左)と代表取締役社長兼COOの深田浩仁氏(右)

 OpenWinは、イー・アクセス執行役員副社長の深田浩仁氏が代表取締役社長兼COO、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義が代表取締役に就任する。ただし、実務を担うのは、深田氏とソフトバンクBB取締役専務執行役員の宮川潤一氏だ。「総務省が期待する新しい事業者は、既存の第3世代携帯電話事業者からは独立していることと考える」として、ソフトバンクとイー・アクセスの代表者を執行役からは外した。

 イー・アクセスとソフトバンクが32.42%の65億円、ゴールドマンサックスが45億円のほか、NECビッグローブ、ソネットエンタテインメント、ニフティ、フリービットの4社のプロバイダーが5000万円ずつ出資し、9月末までに200億5000万円の増資を完了している。この調達資金はWiMAX事業の立ち上げ費用に当てる。ほかの会社からも出資の打診があるといい、免許が取得できれば2500億円程度の資金を調達できるように準備を進めている。3年目の営業黒字を目指す。

 OpenWinは、モバイルWiMAXのインフラのみを提供する。このプラットフォームを完全にオープンにしてパートナーに提供し、コンシューマーに対して直接サービスを行わないことが最大の特徴となっている。ユーザー認証機能や位置情報取得機能などをパートナーが利用できるようにし、端末も自由に販売できるようにする。

 回線は、ソフトバンクのダークファイバなどを活用する。試算では約2万局程度の基地局が必要だが、ソフトバンクモバイルやイー・モバイルの施設を活用することで、その4分の1から3分の1程度はすぐに準備できるとのことだ。プラットフォームの構築は、イー・モバイルでブロードバンド専用ネットワークを構築したノウハウや、ソフトバンクとイー・アクセスのホールセールのノウハウを活用する。

 具体的なサービスのイメージは、OpenWinがMNOとしてインフラを提供、ソフトバンクやイー・アクセスなどがMVNEとしてシステムを構築し、ソフトバンクモバイルやイー・モバイルのほか、ニフティやNECビッグローブ、ソネットエンタテインメントなどのパートナーがユーザーに直接サービスを行う。インフラの卸価格はどの企業も同じにする予定だ。パートナーについては、OpenWinのコンセプトに賛同するのであれば、現在2.5GHz帯に免許申請しているグループに入っている企業でも拒まないとした。

OpenWinのサービスモデル オープンワイヤレスネットワークのサービスモデル。インフラの構築と提供を専門に行い、ユーザーへは直接サービスしない

 モバイルWiMAXのプラットフォーム上では、カーナビゲーションでも家電製品でも、WiMAXのチップさえ搭載すればネットワークに接続できるようになる。また、WiMAXは世界中で採用が進んでいるため、今後生産台数が増えるに従って部品のコストの低下と、品質や性能の向上が望めるという。国内専用通信網と違い、国際ローミングも簡単に対応可能だ。

 パートナーとなっているプロバイダーはすでにユーザーを抱えていて、ソフトバンクとイー・アクセスもADSLユーザーを持つ。このため、「すでに1500万ユーザーを潜在的に持っている」(深田氏)という強みがある。

 2009年3月にサービスを開始し、2009年度内に人口カバー率50%以上、2015年3月末に90%以上をエリア展開。PCユーザーだけで2015年3月末で加入者約400万人を見込んでいる。20MHzの帯域があれば最大70Mbpsの速度が実現でき、FTTHに対抗可能という。価格は現在のADSL並みとなる予定だ。

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