モバイルWiMAX参入を狙うドコモとソフトバンク、両陣営の戦略はどう違うか

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 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3グループは、それぞれ総務省に2.5GHz帯を使用する特定基地局開設計画の認定申請(免許申請)を10月11日に行った。いずれもモバイルWiMAX事業を展開する計画。このうちドコモとソフトバンクの陣営は、具体的な事業計画を明らかにした。2つの陣営ともパートナー企業を巻き込むオープンモデルだが、その戦略は微妙に異なる。

ドコモ中村社長とアッカ木村社長 NTTドコモ代表取締役社長の中村維夫氏(左)とアッカ・ネットワークス代表取締役社長 兼 アッカ・ワイヤレス代表取締役社長の木村正治氏(右)

 ドコモ陣営は、アッカ・ワイヤレスが主体となる。同社は、アッカ・ネットワークスの100%子会社だが、免許取得に向けドコモなどから出資や戦略的提携を決定済み。免許取得時には合計300億円の資金を調達する。その時点での出資比率はアッカ・ネットワークスが46.7%、NTTドコモが25.3%、東京放送(TBS)、三井物産、京浜急行、韓国のKT(Korea Telecom)、朝日ネットなどのWiMAX関連ビジネスパートナーが合計12%、JPモルガン証券などの金融機関やファンドが合計15%となる。その後420億円の追加増資を行い、総額720億円まで資本金を増やす予定だ。

 基本方針はグローバルスタンダードをベースとしたオープンな水平分業モデル。ただし2009年のサービス開始時には、アッカ・ワイヤレスがインフラと同時にカードタイプの端末を販売する。その後、MVNOによる多彩なサービスが提供できるようにする。

 エリア展開は2009年内に首都圏および大阪市、神戸市、京都市、名古屋市でサービスを開始し、人口カバー率約30%を目指す。2010年には関西、関東、中部の主要都市と札幌、仙台、静岡、福岡に広げ、人口カバー率約50%とし、その後全国展開を行う。基地局はドコモの協力により展開する。

エリア拡大 2009年にWiMAX事業を開始し、順次全国へとエリアを広げていく

 パートナー企業として、TBSはリアルタイムの映像情報を配信、KTはすでに韓国で開始しているWiMAXサービスの開発運用実績を基にした技術協力、三井物産はMVNO事業者に課金システムなどを提供、YRP事業開発研究所は研究開発協力、アイテック阪急阪神と京浜急行は鉄道内と沿線でサービスを提供。朝日ネット、NECビッグローブ、ソネットエンタテインメント、ニフティ、フリービットはISPとしてサービスを展開する。朝日ネット以外は、ソフトバンクとイー・アクセスのグループにも出資しているが、これはユーザーに対してサービスの可能性があるところはすべて参加する必要があるためとしている。

 KTによると、韓国でのWiMAXサービスは機種数も少なく、エリアもソウル全域だけとまだ狭いが、2007年4月にスタートして以来すでに加入者は7万人いるという。エリア拡大にあわせて加入者も増加していくと予想している。ドコモとはHSDPAなどで戦略的提携を行っているため、今回のコンソーシアムに参加したとのことだ。

 そのドコモはモバイルWiMAXと次世代高速通信規格「Super3G(LTE)」の両方に関わることについて、多種多様なユーザーに対応するために必要で両者は住み分けできるとし、2重投資にはならないとした。アッカ・ワイヤレスにはインフラ構築で協力するほか、ドコモブランドで端末を販売することを考えている。

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