iWorkの新しい機能を中心にレビューしてきたが、今回のヴァージョンアップでMicrosoft Officeだけでなく、Adobe Creative Suiteにとってもライバルになりつつあることを感じだ。特に個人やスモールオフィス向けのドキュメント系、デザイン系ソフトウェアの対抗馬として、価格競争力の高さを武器に、驚異となりうるでき映えだ。多少、使い側にも工夫がいるけれども。
たとえば、ちょっとしたパンフレットを作りたいとき。マクロは組めないながら、Excelの代わりにNumbersで表計算をしてグラフを作る。Wordの代わりにPagesのワードプロセッサモードで文章を書く。これらをInDesignの代わりにPagesのページレイアウトモードでデザインし、そばにあるプリンタで印刷すればでき上がる。
ちなみにNumbersで作成したグラフをKeynoteやPagesに貼り付けても、グラフの色や文字のフォント・サイズ変更などが可能になっており、拡大縮小も画像劣化なしで対応してくれる。これはMac上でのドキュメント制作においては、とても大きな意味を持つのだ。
たとえばちょっとしたビデオプレゼンテーションを作りたいときは、Keynoteで写真やスライドなどを組み立て、スライドにアフレコを行えばでき上がる。DVDにしたり、さらにBGMを加えたりするなら、MacにプリインストールされているiDVDやGarageBandを利用すれば、よりリッチなコンテンツができ上がる。
アニメーションや画像ファイル。どこまでできるかは使う人のセンス次第だが、FlashやAfterEffectsなどの専門ソフトを使わなくてもKeynoteでムービーのオープニングタイトルのアニメーションくらいは作れてしまう。PhotoshopやIllustratorは? これもやはりKeynoteでスライドを作って画像形式で書き出せば、ウェブで使う程度のバナーやタイトル画像はでき上がる。Flashメニューだって行けてしまう。
これだけのポテンシャルがあるソフトウェアを、オフィススイートという顔でリリースするAppleの「使いながらドキュメントのデザインが洗練されていく」というアフォーダンスには脱帽させられる。
たまにはあらかじめ用意されているテンプレートに従ってスライドやドキュメントを作り、そこから技を盗んでみてはどうだろうか? 表現力を刺激してくれるiWork '08、トライしてみる価値は十分すぎるほどある。
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