特に、普段よく使われる関数である合計、平均、最大値、最小値、カウントの5種類は、マウスで表の範囲を指定すると、その計算結果が必ず画面の左下に表示される。表として関数を組むまでもなく、ちょっと合計が知りたい場合などに便利だ。そしてその計算結果をセルにドラッグすれば、そこに関数が組まれる。これは非常に素早い表作成に寄与する。
またセルには、ステッパーとスライダという2つの真新しい書式が用意されており、これを選ぶとセルの数字をマウスで増減させることができる。ステッパーの場合は上向きと下向きの三角がセルの脇に表示され、これをクリックする毎に値が指定した分ずつ増減する。スライダは左右で値を増減できる。これはNumbersの使い勝手として、書類を作成するだけでなく、データを検討したり、イベントなどでリアルタイムに情報を更新しながら全体を把握することも想定されていることを表している。
グラフ作成や表ごとの関連づけなども、マウス操作で簡単に行うことができる。多少使い勝手が変わるが、Excelなど他の表計算ソフトと同じようにすぐに使い始めることができるだろう。 さらに、Macのアドレスブックのカードをドラッグすると、名前や電話番号などを自動的にリストに追加していくことも可能だ。ステッパーやスライダとともに、マウスで楽しく操作できる、カジュアルな表計算ソフトの一面を魅せてくれる。
最後に、データの互換性について。Excelからの読み込みは、ほとんどの書類で問題なく可能だった。Excel上で作成されたシートは、そのままNumbers上のシートとして解釈される。ただしマクロは存在していないので、利用することはできない。
またNumbersからExcelに書き出す場合は、Numbers上の1枚のシートに配置されている複数の表やグラフは、Excelに書き出すと1つのシートにつき1つの表もしくはグラフ、という構成に分解される。そのため、Numbersで作成したレイアウトはExcelでは踏襲されない。編集機能を我慢してPDF形式で書き出す必要がある。
企業でバリバリとExcelを使っているビジネスパーソンにとって、NumbersはExcelの代替ソフトになり得ないかもしれない。しかし共存はすると思う。ちょっとキレイな表やグラフを手早く作りたいというシチュエーションであったり、スモールビジネスの現場だったり、イベントのゲスト管理をしなければならない休日には、Excelとは違う身近さがとても重宝する存在になりうるからだ。
まずはサンプルのテンプレートで、Numbersの世界観を体験してみて欲しい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?