「何でもダメではメディアが死ぬ」--ニコニコ動画と手を組むバイアコムの狙い - (page 2)

永井美智子(編集部)2007年10月12日 12時15分

 著作権の観点から言えば、権利者の許諾なく勝手にコンテンツを加工して利用するのは著作権の侵害になります。それを使って収益を得るようであればなおさら問題になるでしょう。

 ただ、そういった作品がコンテンツのプロモーションになると考える権利者もいますし、逆に著作権侵害だと問題視する人もいます。そこは微妙なところで、明確な判断基準があるわけではありません。我々としても、そういった作品については個別対応になると思います。一般論でいえる問題ではありません。

 それでも、何でもダメだといっているとメディアとして死んでしまいます。ユーザーが集まるのはそこに面白い要素があるからで、ユーザーが参加して何かできる、というニコニコ動画の良さを失わずに権利保護に取り組んでいく。これはチャレンジですね。

 この問題に関して、今の時点ですべての答えを持っている人はいないと思います。ただ、何もせずに社会が整備されるのを待っているわけにもいきません。新しい取り組みが必要です。特に変化の激しいインターネットの世界で、受身の姿勢ではいられません。

――自社のコンテンツをネット配信することに消極的なメディア企業が多い中で、今回の取り組みは画期的なものと感じます。

 YouTubeに東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)が番組を提供するなど、新しいことをやろうという動きはあります。

 個人的な意見ですが、ただ「違法コンテンツがあるからネット企業とは組まない」というのでは、業界の発展につながりません。特にネットの世界は変化が激しい。だからこそ新しいことに取り組んでいくことに意義があります。著作権法の改正議論などもありますし、行政、メディア企業、新興のネット企業が一緒にこの問題に取り組むことが重要だと思います。

 著作権を盾にメディア企業とネット企業が対立するという構図がいつまでも続くとは思えません。それよりも前に、コントロール権はユーザーに移ってしまっています。そこを踏まえたうえで今後どう取り組んでいくべきか、という点で、今回の提携は1つの答えになると思います。

 ニワンゴのように、明確に著作権保護をうたっている企業であれば、積極的に組んでいきたいですね。

――話し合いはいつごろからしていたのですか。

 具体的な話し合いは7月からです。8月までの間にアイデアを出して、9月以降に詳細を詰めていきました。

――話し合いはスムーズにいきましたか。

 基本的には問題ありませんでした。ただ、著作権保護の部分に関しては、メディア企業として譲れない部分があることを伝えました。

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