しばらく前から、CNET News.comではGoogleが仮想世界スペースに進出をもくろんでいるのではないかといううわさを耳にする。特にSecond Lifeのような既存の仮想世界に対する関心が高まっていることや、Google Earthの成功、Sketchup技術の買収などがその根拠になっているようだ。
そして、ついにCNETではこのうわさについて何らかの真相を明らかにできるかもしれない。TechCrunchによると、Googleはすでにアリゾナ州立大学における非公開の実験で独自の3D仮想世界技術をテストしている可能性があるという。
eMarketerが米国時間9月24日に発表した報告書によると、Googleは「ユーザー同士の仮想的なつながりを実現するためにGoogle Earthの強化を計画している」という。
確かにGoogleは、特にSketchupとGoogle Earthがあることから、広大かつ強力な3D仮想世界を構築するための資源を手にしていることは間違いない。多くの人は、Googleこそがこのようなプロジェクトを軌道に乗せて迅速に成功を得る可能性が高い唯一の企業だと見ている。
しかし、真に活気のある仮想世界を実現するための鍵はユーザーが作成するコンテンツである。Sketchupなどのサービスを利用するユーザーが、あらかじめ作成された大量の3DコンテンツをGoogleの運営する仮想世界に簡単にインポートできるとしても、Second Lifeや、それよりはユーザー数が少ないThereが住人を集めたような新味のあるコンテンツにはならないだろう。
その意味するところは、Googleの仮想世界が人々の想像力を引きつけるために必要となる幅広い多様性を獲得するまでは長い時間がかかるということだ。もちろん、不安定なSecond Lifeのプラットフォームに対して技術的な優位性を持っていることはほぼ疑いないし、そのおかげで大多数のユーザーを獲得するようになるまで成長する可能性もある。しかし、それが一夜にして実現することはないだろう。
仮にそれが実現しつつあるにしても、また仮にうわさが本当だったとしても、誰にもわからない。
Googleの広報担当者は次のようにコメントしている。「われわれはユーザー同士のつながり、情報共有、自己表現を支援するための新しい手段を常に模索しているが、現時点で発表できる新しい情報は何もない」
報告書が発表されたのは、先週後半にTechCrunchのブログに、Googleが11月5日に開発者向けのAPIを発表するとの投稿が掲載された直後だった。このAPIは開発者が「同社のソーシャルグラフデータを活用できるようにするもの。まずOrkutとiGoogleから開始し、時間の経過とともにGmail、Google Talkやその他のGoogleサービスに拡大していく」という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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