ファイルの共有もそうだ、とJones氏は言う。「われわれには、『Windows Live SkyDrive』というクラウド型ファイル共有技術があり、『FolderShare』というPtoP型ファイル共有技術がある。いずれそのうち、そうした体験をシームレスにして、すべてのファイルにどこからでもアクセスできるようにすることに、われわれが意義を見出すようになるかもしれない」
Microsoftは、開発者がWindows上で稼働するプログラムを書くのと同じように、Windows Live上でのプログラムを開発できるようにしたいと考えている。上述の2つの取り組みは、Liveインフラ全体のまだほんの序の口だ。こうした概念は、一部で「クラウドOS」と呼ばれている。
クラウド型サービスは大きなストレージ容量を必要とするため、いずれはこうした中心的なインフラの多くをめぐって大手企業2、3社間だけで競争が繰り広げられるようになると、Microsoftは確信している。
しかし、こうした多様な戦略を追求する以上、Microsoftの部門間で衝突が起きるのは避けられないと思われる。Silverlight担当チーム、Windows Liveサービス担当チーム、Liveインフラグループはいずれも、何らかのウェブプラットフォームになることを目指して取り組みを続けている。
ブラウザ分野でも、Microsoftは苦労している。「Firefox」に対応しないことでサービスの潜在ユーザーを失う事態は避けたい。しかし、「Internet Explorer」(IE)の市場シェアがWindowsの強化に役立っているのも事実だ。
「『Windows Liveの目標は何か?』という問題になってくる。サービスの利用者を最大限に増やしたいが、Windowsの重要性は維持したい。また、IEはWindowsの一部だ。オンラインサービス戦略そのものに矛盾がある」と、Rosoff氏は指摘する。
しかし、社内で対抗させるのは、Microsoftのビジネス手法の1つだ。「Windows Media Center」担当グループ、「Xbox」担当グループ、「Internet TV」担当グループはいずれも、デジタルリビングルームの中心になることを目指している。
「これは、多少なりとMicrosoftが常に利用してきたやり方だ。Microsoftはいつも技術を競わせており、勝者を選ぶとは限らない」と、Rosoff氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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