Microsoftは米国時間6月27日、「Windows Live」で写真共有サービスとウェブベースのホステッドストレージサービスを開始する。これらのサービスは今のところ、事前に選ばれた数千人のユーザーのみが利用できる。
1つ目の新サービス、写真共有の「Windows Live Photo Gallery」(ベータ版)は、本質的には「Windows Vista」に組み込まれている「Windows Photo Gallery」のアップグレードといえる。だが、「Windows XP」にも対応した。写真管理プログラムが拡大されており、ユーザーはブログサービス「Windows Live Spaces」に写真をアップロードできるようになった。
2つ目の新サービスである「Windows Live Folders」(仮称)はオンラインストレージツールで、ユーザーはファイルをバックアップしたり、友人と共有したり、一般に公開するなどのことができる。ベータ版プログラムでは、テストユーザーは500Mバイトの容量を利用できた。Windows Live事業グループ担当ゼネラルマネージャ、Brian Hall氏によると、誰とでもファイルを共有できるが、ファイル共有に招待された人はWindows Live IDを利用してユーザー認証を行う必要があるという。
Microsoftは今後数カ月の間にいくつかの新サービスを発表する見込みで、今回の2つの新サービスはその第一弾となる。Microsoftは数カ月前からサービスを選別し、大黒柱のHotmailをアップデートする一方で、新しいサービスを追加し、さまざまな製品を密に統合していく戦略のようだ。
Hall氏はこれを、Windows Liveの「第2世代だ」と説明する。
MicrosoftがWindows Liveの取り組みを発表したのは2005年11月のことだ。当時、Googleなどの企業が提供しているウェブベースの無料サービスに対抗するものとみられていた。
今回発表した2つの新サービスにより、Microsoftはライバルに追いつく。Yahooの写真共有サイト「Flickr」はウェブで人気が高い写真共有サービスの1つで、Yahooはオンラインストレージの「Yahoo Briefcase」を数年前から提供している。
驚きには値しないが、Googleもこの分野を狙っており、ストレージサービス「GDrive」を開発中とうわさされている。Googleはまた、写真共有分野でも争っており、3年前に写真管理サービス企業のPicasaを買収し、強化を図っている。
「小さな第一歩だ」とHall氏は認める。「これにより、HotmailとMessengerのユーザーは統合された方法でファイルを共有できる」(Hall氏)
新サービスは、Steven Sinofsky氏が2006年にWindowsおよびWindows Liveの開発統括者に就任した後に進められているWindows Liveの大規模なリフレッシュの一部となる。Hall氏によると、Microsoftは8月から9月にかけて、機能強化されたパレンタルコントロール、セキュリティサービスのOneCareなどの強化を発表する予定という。Microsoftはこのほかにも、複数のWindows Liveサービスを単一のステップでインストールし、共通のアップデート機能を使って最新機能に更新するサービスも提供する予定という。
HotmailとMessengerは巨大なユーザー数を抱えるが、Microsoftはウェブサービス分野でサービスを拡大するにあたり、苦戦を強いられている。その一方で、Googleはワープロや表計算などのオフィスアプリケーションをウェブ経由で無償提供しており、Microsoftの主力事業であるデスクトップ事業にとって脅威となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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