しかし、AMDが平均販売価格を引き上げるために、正常に機能するすべての4コアチップを(デスクトップ市場よりも)はるかに利益の上がるサーバ市場に振り向ける必要があるということは十分に考えられる。そして、デスクトップ市場向けには、3コアチップを提供することができる。
仮に利益に対するプレッシャーがなければ、これは実際、AMDにとって得策だ。結局、コアが1つでも作動しない4コアチップは、消費者にとって何の得にもならない。チップメーカーは長年、この手を使ってきた。例えば、IntelのCeleronチップやAMDのDuronチップは、実はPentium 4チップやAthlon XPチップと同じもので、ただ一部のキャッシュメモリが使用不能であるにすぎない。不能なトランジスタは当然機能しないが、正常に機能するトランジスタに悪影響を及ぼすわけではない。
また、Intelは、3コアに容易に対抗できる製品をまだ作ることができない。Intelの向こう約6カ月間のロードマップによると、同社はパッケージ化された4コアチップの発売を予定している。この4コアチップは、2基のデュアルコアチップを同じパッケージに詰め込んだものだ。Intelは、2008年後半に次世代プロセッサ「Nehalem」をリリースするが、それ以前に3基のコアを搭載可能な設計に変更する可能性は低い。
しかし、私がよく考えるのは、プロセッサの型番がすでに4ケタに達している中で3コアプロセッサを発売すれば、PC購入者はプロセッサに関する決断を下す際にますます混乱するのではないかという点だ。3コアチップでは、通常4つのコアに割り当てられるキャッシュメモリを3つのコアで利用できるため、場合によっては高速な3コアチップがローエンドの4コアチップの性能を凌ぐ可能性もある。AMDは3コアチップを発売する際にその点について首尾一貫した説明ができるよう準備しておく必要がある。
サイクルヒットを達成する上で最も難しいのが三塁打だ。この点も注目に値するだろう。AMDは3コアPhenomプロセッサの価格設定計画についての詳述は避けている。しかし、恐らくこの価格設定こそが、このチップがPCメーカーや購入者らにどれだけ受け入れられるかを決する重要な鍵を握ることになるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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