テキサス州オースティン発--かつてはオンラインゲームといえば、わずかな数のヒットが生まれるぐらいで、これといって大きく取り上げられることのないニッチ市場の1つだった。ところが今日では、「World of Warcraft」、「Habbo Hotel」、「Club Penguin」などの大ヒットに伴い、オンラインゲーム市場は世界中の注目を集めている。
当地で9月上旬、オンラインゲーム業界のリーダーたちが一同に顔をそろえる「Austin Game Developers Conference」が開催された。関係者の総意として直接的な意見の一致が見られたわけではないが、カンファレンスでは業界の現状や今後の展望に関する意見がいくつか浮き彫りになった。
まず1つは、オンラインゲームがメインストリームブランド市場になる日は遠くないとする意見だ。その背景には、大手企業が新しい形式のエンターテインメントや製品との斬新な対話方法を顧客ベースに提供する方法として、オンラインゲームの流行の波に便乗しようとしている事情がある。
このカンファレンスの先駆けとなった「Austin Game Developers Conference」を主催したVirtual Worlds ManagementのエグゼクティブディレクターであるChris Sherman氏は、一部の業界における認識の芽生えを指摘し、「消費者をひきつける潜在的な魅力がゲームタイプの環境にあることに、消費財業界、玩具業界、そしてメディアが目をつけたかたちだ」と語る。
Sherman氏はその例として、Warner Bros.の「Online Arcade」を挙げている。Online Arcadeでは、「スクービー・ドゥー」、「バッグス・バニー」、「ハリー・ポッター」など、同社の人気キャラクターをベースとしたオンラインゲームを楽しむことができる。
もちろん、これらのゲームがすべてWorld of Warcraftのように複雑で時間のかかる内容というわけではない。中には、短時間で終わってしまう簡単な内容でありながら、消費者の心をひきつけるようにできているゲームもある。いずれにしても、Warner Bros.の例にとどまらず、MTVがバーチャルワールド進出に踏み切ったこと、そして多くのブランドがSecond Lifeに店舗を開店していることからもわかるとおり、オンラインゲーム市場で自社ブランドを確立することに対する大企業の関心はこれまで以上に高まってきている。
Sherman氏は、オンラインゲーム市場に対する企業の取り組みがすべてゲームプレーに直結しているわけではないとし、新興のバーチャルワールドの多くが、ゲームプレーを単なる一要素としてのみ盛り込んでいることを指摘している。
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