米国土安全保障省(DHS)で監視任務を実行する場合も、単にスポーツのライブ中継のビデオを録画したい場合も、Seagate Technologyには最適なハードディスクがそろっている。
カリフォルニア州スコッツバレーに本社を置くSeagateは、今週開催予定のアナリスト向け年次カンファレンスを目前に控えて9種類の新製品を発表した。
従来、ハードディスクメーカーは同種のベーシックなドライブ製品を多様な市場に投入するのが一般的だったが、現在では個々の顧客のプロフィールや用途に合わせて製品の仕様を変更している。こうすることによって、理想として、ハードディスクメーカーは製品から少しでも多くの利益を生み出すことができ、PC市場の過酷な価格戦争からも逃れることが可能となる。
「われわれは、IntelやMicrosoftによって身動きのとれない時期が長すぎた」とSeagateの最高経営責任者(CEO)であるBill Watkins氏は語る。
新製品の多くはコンシューマー向けである。現在では商業市場よりも個人ユーザーの方が年間のドライブ消費容量が多いからだ(一部の新製品はすぐに発売されるが、2、3カ月後に市場に登場する製品もある)。
「われわれは3年前にバックアップ用のドライブに照準を合わせた。2007年、バックアップ用ドライブの売上高の目標は小売で10億ドルである」(Watkins氏)
たとえばSeagateの「DAVE」(Digital Audio Video Experience)プラットフォームは、携帯電話をMP3プレーヤー、ムービープレーヤーまたはビデオレコーダーとして使用したいというユーザーを想定している。
60Gバイトの1.8インチドライブを搭載したDAVEユニットは、Wi-Fi、BluetoothまたはUSBケーブルを経由して携帯電話に接続可能で、上着のポケットにも収めることができる。ほとんどの携帯電話の容量はせいぜい数Gバイトなので、DAVEを使用すればリモートストレージの容量が大幅に向上することになる。
「携帯電話にビデオをストリーミングできる。通常、携帯電話の容量はあまり大きくないため、Appleの「iPhone」が注目を集めると思う。携帯電話事業者はその動きを助長したくないと考えている」(Watkins氏)
一部の企業は、DAVEを映画レンタルの媒体として使用できないかテストしている。この使用形態では、ユーザーはキオスク端末に行って見たい映画を選び、キオスク端末はその映画をDAVEユニットに転送する。映画には違法コピーを防止する著作権保護機能が搭載されることになるだろうとWatkins氏は言う。
意外なことに、SeagateはDAVEを自社ブランドの製品として発売する予定はない。その代わりに携帯電話会社向けに製造し、彼らにブランド化してもらう。Seagateは現在その取引を交渉している最中である。
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