最大の磁気ハードドライブメーカーであるSeagate Technologyの最高経営責任者(CEO)であるBill Watkins氏によると、同社はフラッシュメモリをベースとしたハードドライブを製造する予定であるという。
同氏は米国時間8月22日にインタビューに応じ、「まず、おそらくは企業向けとなるソリッドステートドライブを製造する」と述べた。「よりよいドライブが製造できると思う」(Watkins氏)
熾烈な戦いが繰り広げられているストレージ市場において、Seagateの決断は大きな転機となる。ここ2年間、フラッシュか磁気かという議論がストレージ市場最大の関心事であった。磁気ハードドライブは長い間、サーバ、PC、ノートPCに必須のコンポーネントであった。磁気ハードドライブは、ギガバイトあたりのコストという観点ではフラッシュデバイスよりもかなり安価で、一般的にフラッシュメモリよりもデータ容量が大きい。CompUSAでは、特別価格の500Gバイトのデスクトップドライブが109ドルで販売されており、その価格は4Gバイトフラッシュドライブ2台分に相当する。卸売価格においても差が存在する。
しかしフラッシュメモリメーカーは、製品の密度を上げ、価格を低下させてきた。その結果、MP3プレーヤー市場ではフラッシュメモリが磁気ハードドライブに取って代わっている。2007年にはフラッシュドライブ搭載のノートPCが出現し始めた。次のターゲットはブレードサーバだというフラッシュメーカーもある。フラッシュメモリ支持派によると、フラッシュメモリの方が、エネルギー消費が低く、信頼性が高く、データ読み出しが高速であるという。
Seagateは、方向転換を図ろうとしているわけではなく、すべての製品を網羅しようとしている。フラッシュチップであれ、磁気ディスクであれ、ストレージ部品は、ドライブの中の1つのコンポーネントにすぎないのだからとWatkins氏は述べた。ドライブには他にもチップやボードや多くのソフトウェアが搭載されている。
Watkins氏はハードドライブを持ち上げて、「これには100万行のコードが含まれている」と述べた。「100万行のコードによってソリューションが実現されているのだ」(Watkins氏)
同氏は、今日市場にあるフラッシュベースのノートPCに関しては、「10年遅れている」と述べた。
スコッツバレーを拠点とするSeagateは現時点では、フラッシュベースのドライブを製造していない。現在同社は、フラッシュチップを販売してくれる企業を探しているところである。
世界最大のNANDフラッシュメモリメーカーはサムスン電子だが、サムスン電子はハードドライブも販売している。しかし、Micron Technologiesなど、独自のドライブを製造していないベンダーは他にも多く存在する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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