MicrosoftのSteve Ballmer氏とCiscoのJohn Chambers氏は今週、互いに競合する両社がいかにしてより密接な共同作業を行うかについて発表した。両氏は、ITアーキテクチャ、セキュリティ、マネジメント、無線通信、そして重要な成長市場であるユニファイドコミュニケーションなどの分野では、それぞれ製品の統合を進めた方がよいと述べた。
ユニファイドコミュニケーションは、音声、ビデオ、データや多数のアプリケーションを利用して、さまざまな端末機器に対応しつつ、従業員がより容易に意思の疎通を行えるようにするものである。
しかし発表の翌日、別のMicrosoft役員が明らかにしたのは、ユニファイドコミュニケーション技術をオンデマンドベースで提供することにより、ユニファイドコミュニケーション分野でMicrosoftがCiscoをいかに出し抜こうとしているかであった。
MicrosoftのグループプログラムマネージャーWarren Barkley氏は、サンフランシスコで開催されたVoiceConカンファレンスで、同社はユニファイドコミュニケーションをサービスの形で提供する意向だと説明した。この提供方法は、集中的なユニファイドコミュニケーションプラットフォームを構築するだけのリソースやマンパワーがない多数の中小企業にとって、理想的なものだという。
CiscoだけでなくMicrosoftも、集中的な構成の企業向けユニファイドコミュニケーションツール販売に取り組んでいるが、Ciscoの方が、そのような「重厚長大な」アプローチを採用する傾向が強いようだ。
Microsoftは今週、同社の主力ユニファイドコミュニケーションツール「Office Communications Server 2007」の発売日を米国時間10月16日と発表したが、Ciscoは今もなお、ユニファイドコミュニケーションソリューションを「ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)」の世界に持ち込むことを頑なに拒否している。
Ciscoは2007年5月、アプリケーションスイート「WebOffice」をサービス形式で提供するコラボレーションソフトウェアのホスティングプロバイダWebExを買収したが、ユニファイドコミュニケーション分野では企業向けの高性能ハードウェア販売に専念する意向をはっきりと固めている。
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