Google Appsの日本展開はモバイルがカギを握る

島田昇(編集部)2007年07月31日 08時00分
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 Googleが企業向け情報共有ツール群の展開を加速している。Microsoftの独壇場となる事業領域だ。

 これまでのオフィス支援ツールの役割のほか、オンライン上での情報共有機能を強調。セキュリティ面を懸念する声もあるが、圧倒的な低コストと使い勝手の良さを武器に、一般企業向けに加えISP(ネット接続業者)への提案も積極化している。Microsoftとは異なる事業領域の開拓も見え始めてきた。

 国内では大手ポータルのライブドアに続き、主要携帯キャリアでKDDIが展開する「au」もGoogleのシステムを採用すると発表。この流れがさらに広まる可能性もある。

 Microsoftの牙城に切り込む「Google Apps」。検索、広告に続くこのGoogle第3の主力事業について、GoogleのInternet Product SyndicationであるDan Stickel氏に話を聞いた。

--Googleの全社的な戦略におけるGoogle Appsの位置付けは。

 Googleは検索、広告、Google Apps──の3つが重要な核となるサービスであると考えています。

 検索ではオンライン、オフラインに関係ないユニバーサルな検索サービスを目指し、広告におけてはテレビやラジオを含むエンターテインメント性も備えた広告をワンストップで広告主に提供する方針です。そしてわたしが担当するAppsは、コミュニケーションコラボレーションの推進を大きなミッションとして掲げています。

 企業は従業員がメールや文章作成ソフトなどを使うために、年間1人あたりで785ドル使っていますが、Google Appsであればその10分の1のコストで済む。IT投資の80%はサーバ管理などの現状維持に使われているが、企業は今後、その分の投資を革新的なことに用いるようになるでしょう。

--基本はMicrosoftの「Office」と同じ用途ですね。

画像の説明 Dan Stickel(ダン・スティッケル)氏。従来の検索サービスのシンジケーションやGmail、Google Docsなどの新しいサービスを含むGoogleのパートナープロダクトを担当。AT&T ベル研究所からキャリアをスタートさせ、これまでにAltaVistaの上級副社長を務めたほか、3つの企業の共同設立者にも名を連ねた。Google入社前はMacrovisionの上級副社長/ゼネラル・マネジャー。2005年にGoogle入社。

 目的としては違うと言いませんが、世界中の人たちの共有とコラボレーションの推進に注力します。

 例えば、文章作成と表計算ソフト「Google Docs&Spreadsheets」を出し始めた頃、まずは社内でこれとMicrosoftの製品の両方を使っていました。しかし、両製品は目的が違っていたので、Google Docs&Spreadsheetsをシンプルで共有しやすいものにしていこうと機能拡張したところ、社内でほかのツールは使わないようになってきました。

 我々の狙いはMicrosoft製品の置き換えではない。世界中の人たちの共有とコラボレーションの推進にあります。

--単なる置き換えではなく「Microsoft製品+共有」ということですか。

 そう思いたかったらそうでもいいですが、我々はMicrosoftに捕らわれていません。わたしたちにとっては、わたしたちのユーザーが「何に期待しているのか」ということが何よりも重要です。

 90年代はMicrosoft Officeの時代でした。しかし、今の時代では全然違ってきていると我々は考えています。

--確かに、共有したいというニーズはありますが、社内情報をオンライン上で共有することには抵抗のある企業も多いです。

 それを心配する企業が多いことは確かです。しかし、わたしは全く心配していない。なぜなら、Googleはウェブサイトとしてはナンバーワンでありながら、9年間もハッカーたちからの攻撃を阻止し続けてきました。しかも、純粋な検索サービスだけではなく、何十億ドルものクレジットカード決済を四半期ごとに行っているにもかかわらず。

 我々はセキュリティーやプロテクションのプロです。さまざまな業態の企業と比べていただいても、そこに関しては我々の方が優れているでしょう。

 また、同じ会社の人間同士であればそれぞれの給料、競合企業同士であればそれぞれの業績などに興味があるかもしれませんが、我々は全く関心がない。我々がわざわざ他社の情報を見ることもないですし、むしろ、社内で情報を持つことの方がGoogleの中よりも漏れる情報が多いのではないでしょうか。

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