優秀な学生の獲得にあの手この手--シリコンバレーの人材確保裏事情 - (page 2)

文:Stefanie Olsen(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、瀧野恒子、國分真人2007年07月19日 16時00分

 最近発表された統計を見ると、大学でコンピュータサイエンスを専攻する学生の数が減りつつあるようだ。Computer Research Association(CRA)によれば、アメリカの大学でコンピュータサイエンスの学士課程に在籍している学生の総数は2005年から2006年にかけて14%減少し、2002年との比較では40%以上減った。明るい面に目を向けると、希望が持てる数字もある。将来コンピュータサイエンス専攻に進む課程に在籍している学生の数が10%増加している。

 同様に、CRAによればコンピュータサイエンスで修士号を取得する学生の数は、2005年6月の年度末には9286名だったが、2006年6月の年度末には13%減少して8074名だった。

 ただし、博士号を取得して卒業する学生の数は、2006年6月には25%以上増加して1499名となった。さらに、CRAによるとドットコム企業全盛期さながらの現象も見られる。というのは、2005年から2006年にかけてコンピュータサイエンスの博士課程に在籍した学生のうち、かなりの割合(50%近く)が学問の世界よりも産業界で働くことを選択している。

断りにくい魅力的な条件

 この有能な学生のプールを狙うとき、才能ある人材を確保したいGoogleやMicrosoftなどの企業は、インターンを迎えるための準備を懸命に行う。それは魅力的な給与を提示するだけにとどまらない。

 たとえばMicrosoftは、学生や人材スカウト業者の話では最高の好待遇を学生に提示しているという。Googleは学生インターン候補に電話インタビューを行うのが普通だが、Microsoftは学生や大学院生に航空券を支給し、本社に呼び寄せて面接を行う。新たに採用したインターンの場合は引越の費用を負担し、住宅手当か、または通勤費会社負担の家賃補助付き社宅という選択肢を用意している。2007年からは新たに、住宅を確保するための一時金をインターンに提供している。

 それに加えて、Microsoftはインターンの心をつかもうとさまざまな特典を用意している。AT&T球場でのサンフランシスコ・ジャイアンツ戦のチケット、サンフランシスコ湾でのサンセットクルーズ、ドッジボールのトーナメントなどはその例だ。州外のインターンにはワシントン州レッドモンドへの航空券を支給し、夏にBill Gates氏の自宅で開かれるバーベキューパーティに招待する。

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