3人に1人のティーンエージャーがオンライン上で何らかのいじめを受けたと答えた反面、3人に2人はオフラインでの方がいじめは起こりやすいと答えたことが、新しい調査報告書で明らかになった。
Pew Internet & American Life Projectが米国時間6月27日に明らかにした調査報告書によると、ティーンエージャーが回答したオンラインでのいじめの最も一般的なものには、他者がプライベートなメールやインスタントメッセージ(IM)もしくはテキストメッセージを公開してしまったことなどがある。調査対象のティーンの15%は、プライベートな通信内容がオンライン上に公開されたり第三者に転送されるという、迷惑行為を経験したことがあると回答している。
そのほかの嫌がらせの種類としては、うわさを広められたり、恥ずかしい写真をウェブ上に投稿されたり、脅迫めいていたり攻撃的だったりするメールやIM、テキストメッセージを送信されたといったことが挙げられると、報告書は記している。
この報告書はいわゆるネットいじめの解明に役立つものだ。児童保護を訴える人々によれば、ネットいじめはその広がりの大きさゆえに、オンラインで遭遇する性的被害よりも危険性が高くなりうると考えられているという。若者を対象に2006年に行われたネットいじめに関する調査では、年間で1300万人もの子どもたちが被害に遭うと示唆している(統計上の数字は大きく異なるが、児童保護団体National Center for Missing and Exploited Childrenでは、ティーンエージャーの7人に1人がオンラインで性的な誘惑を受けたことがあると報告している)。
Pewのシニアリサーチスペシャリストで報告書の執筆者であるAmanda Lenhart氏は、若者のグループ別の調査を通じて、オンラインでのいじめは複数の理由によって広まっていることが分かったと記している。理由の1つには、若者にとってメッセージを転送したり、恥ずかしい写真を投稿したり、オンラインでうわさを広めることが簡単だということがある。また、コンピュータの陰に隠れていられるので、結果を気にせずにいじめることができるという感覚が、若者たちを大胆にさせるという面もある。
「いじめがデジタル時代に突入した。いじめの裏にひそむ衝動は同じでも、影響ははるかに大きくなる。今ではほんの数回クリックすれば、写真でも動画でも会話でも、電子メールを通じて数百人に、あるいはウェブサイトを通じて広範に公開できてしまう」と、Lenhart氏は記す。
Pewの報告書では、少女の方が少年よりもネットいじめを受けやすいことも明らかになった。少女の38%がオンラインで嫌がらせを受けたと答えているのに対して、少年は26%だった。だがこの割合は、年長の少女のグループおよびティーン全体のグループのうち、FacebookやMySpaceといったソーシャルネットワークを日常的に利用する対象者集団で高くなっていた。ソーシャルネットワークを利用するティーンのおよそ40%が、いじめを受けたことがあると回答している。
現実生活での嫌がらせ行為に関する質問では、オンラインよりもオフラインでのほうがいじめが起こりやすいとの回答が67%にのぼった。
これらのデータは米国内の12歳から17歳のティーン935人に電話調査した結果だ。Pewでは誤差の範囲をプラスマイナス4%としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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