大半の保護者は、オンライン上の子どもの安全を確保するために何らかの対策を講じてきたと語っているが、具体的にどのように子どもを守ればいいのか検討もつかないと認める保護者も中にはいるだろう。
調査会社Harris Interactiveが発表した最新の調査によると、およそ3分の1の保護者が、インターネットの安全かつ責任ある利用方法を子どもたちに教えられる自信がないと答えたという。それでも、ネット上の害悪から子どもたちを守るために、ウェブコンテンツフィルタや監視ソフトウェアを導入したり、友人から助言をもらったりするなどの対策を講じた保護者は全体の94%にも上った。
「世界、技術、ウェブはめまぐるしく変化しており、大人は変化に付いていくのが精一杯の状況だ」と語るのは、教育財団Cable in the Classroom(CIC)の教育政策担当シニアディレクターDouglas Levin氏だ。CICは22年前に創設された国立の教育財団で、ケーブル業界がスポンサーとなっている。
CICは7月に、インターネットの安全に関する世論調査をHarrisに委託し、その調査結果が今週ニューヨーク市で開催されたNational PTAの会議で発表された。調査の結果、ウェブ上あるいはMySpaceなどのソーシャルネットワークにおいて子どもたちのプライバシーが脅威にさらされていることに対して保護者たちは不安を募らせており、何らかの対策が必要であることが明らかになった。
子どもたちが注目を浴びるのは、彼らが自宅、学校、友人宅でインターネットを利用する時間が急激に伸びているためだ。CICによると、放課後のインターネットの利用時間は、高校生の場合1日あたり5.1時間にもおよび、中学生が1日4.9時間、小学生が3.8時間だという。また専門家によると、子どもたちが特に危険にさらされるのは、ブログやソーシャルネットワークで、あるいはマーケッターに対し個人情報を開示する時だという。
子どもたちが、自宅、学校、図書館、友人宅、さらには祖母の家でもインターネットを利用しているとなると、一体誰がオンライン上の害悪から子どもたちを守る責任を負うべきか。同世論調査で、8歳から18歳までの子どもを持つ保護者374人にこの質問をしたところ、全体の9割が責任の大半は保護者が負うべきと答えた。
また、10人中7人の保護者が、学校も子どもの教育や保護の責任を分担すべきと答え、さらに全体の半数が政府や警察の関与を希望した。Levin氏は、今回の調査結果は、(子どもを守るために)保護者、教師、家族、友人が連携して対策に取り組む必要があることを示している、と指摘した。
しかし、教師たちは子どもを守る責任を分担する必要があるにも関わらず、子どもたちにオンラインメディアリテラシーについて教えるために必要な教材や時間が確保できないようだ。Levin氏によると、全体の6割の教師が、学校で情報やメディアに対するリテラシー能力の教育が十分に行われていないと答えたという。さらに全体の78%の教師は、子どもたちにメディアリテラシー能力について教えるには、まず自分自身がそれらについて学ばなくてはならないと回答している。
一方で、保護者たちは不安を感じた結果、どのような対策を取ったのか。多くの保護者は、監視ツールなどの技術に頼っている。
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