UPDATE Microsoftは、「Windows Vista」のデスクトップ検索機能を変更することで合意した。これにより、Googleの不満を静め、米国の独占禁止規制当局との争いを避ける狙いだ。
Microsoftが米国時間6月19日に米司法省と共同で提出した書類によると、MicrosoftはVistaの最初のService Packで検索機能を変更するという。この書類中、MicrosoftはService Packのリリース時期について初めて明らかにしており、年内にベータ版を提供するようだ。
この合意の下、Microsoftはコンピュータメーカーと個人ユーザーがデフォルトのデスクトップ検索プログラムを選択できるメカニズムを作成する。すでに、ウェブブラウザやメディアプレーヤーについては、WindowsそのものにMicrosoft製品が組み込まれてはいるがライバルのサービスを選択できるようになっている。
この書類はMicrosoftの同意判決を調査している判事とともに作成したもので、書類の中で当局の担当者は、「原告は、最後審判の下で申し立てを行う可能性があった問題を解決するものだとして、Microsoftが約束どおり実装することを条件として全体として満足している」と述べている。
Microsoftも合意に至ったことに満足しているようだ。
「すべての州と司法省と合意できたことをうれしく思っている。これにより当局の懸念に対応し、先に進むことができる」とMicrosoftの法務顧問であるBrad Smith氏は声明文で述べている。
連邦検察官は、米国政府、それに17の州の判事は今回の動きに満足しており、MicrosoftはGoogleが提起した独禁法懸念に適切に対応したと述べている。
司法省反トラスト局を担当する司法長官補佐のThomas O. Barnett氏は声明で、「(司法省は)最後審判の下で、Microsoftとの間でデスクトップ検索に関するすべての問題を解決するための合意に達するほか、Microsoftに、判決の対象となっている全てのプロトコルの技術文書を確実かつ完全に公開、提供させるよう取り組んできた」と語った。
カリフォルニア州検事総長であるJerry Brown氏は19日、Vistaに含まれるデスクトップ検索機能が2002年にMicrosoftが結んだ独占禁止に関する合意に違反しているとの疑惑に対し懸念を抱いたと語った。またBrown氏は、今回の合意を条件付きで称賛した。
「今回の合意は(完璧ではないものの)、ソフトウェア業界内の競争促進に向けた前向きな一歩だ。この合意により、消費者は自分の好みのデスクトップ検索ツールを選びやすくなる」(Brown氏)
Googleの主席法律顧問であるDavid Drummond氏は声明で、「現在のVistaのデスクトップ検索に対するMicrosoftのアプローチが、合意判決に違反し、消費者の選択を制限しているのは明らかだ」と述べている。
Drummond氏は、「われわれは、Googleが合意判決の遵守を要求したことで、司法省と州検事総長が、Vistaに変更を加えるようMicrosoftに求めたことうれしく思っている」と述べ、「こうした改善は、正しい施策だが、消費者が代替のデスクトップ検索プロバイダーによりよくアクセスできるよう、さらなる改善がされるべきである」と語った。
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