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米国でネット賭博の合法化に向けた動きが浮上

文:Declan McCullagh(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年06月11日 19時25分
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 米国時間6月8日に開催された議会聴聞会の中で、インターネット賭博の禁止に反対する人々が、ネット賭博を禁止するよりも、合法化した上で規制した方が賢明だと訴えた。

 下院金融サービス委員会の委員長を務め、ネット賭博の合法化に向けた取り組みの主要な支持者でもあるBarney Frank下院議員(民主党)は、「結局、成人であれば自ら稼いだ資金の使い道は自分で判断できるはずだ」と語った。

 8日の聴聞会には、参考人としてオンライン決済サービス企業の関係者も出席した。彼らの主張は概ね「ある産業を闇市場の中で、ほとんど監視もなされぬまま拡大させるよりも、合法化し、課税し、慎重に規制した方が賢明」というものだった。この見解は、かつてアルコール禁止の撤廃を支持する際に利用され、現在はマリファナの非犯罪化の論拠として使われている。

 実際そのような方針を取っている国もある。例えば英国では、ネット賭博は合法だが、厳格に規制されている。大手オンラインカジノ運営企業の中には、ロンドン証券取引所に上場している企業もある。

 2006年までVisa Europeのインターネット部門で責任者を務め、現在はコンサルタントをしているJon Prideaux氏は、「私の経験をふまえると、ネット賭博の規制は可能であり、ネット賭博の悪用に対しても実効的な規制、管理が可能だと断言できる」と語った。

 Bush大統領は2006年にネット賭博規制法に署名した。この法律は、インターネットサービスプロバイダー(ISP)や、銀行やクレジットカード会社など、海外サイトへの支払いを処理する金融仲介機関を規制の対象とすることにより、多様なネット賭博の撲滅を目指している。議会全体で同法案に関する正式な採決は行われていないが、その代わりに、上院で満場一致で可決されたネット賭博とは無関係の港湾のセキュリティに関する法案に盛り込まれた。

 そして今、ネット賭博合法化の賛成派は反撃に出ようとしている。Frank議員は4月、現在の(ネット賭博に対する)広範な禁止に代わり、合法的なネット賭博サービスを提供する企業に(犯罪歴のチェックや金融情報の開示などの)厳格な規制を課す法案を提出した(同法案はInternet Gambling Regulation and Enforcement Actと呼ばれる)。

 2008年米大統領選の候補者であるRon Paul下院議員(共和党、テキサス州選出)は、成人は賭博を行うか否かの判断を自ら下せるようにすべきだと主張した。また同氏は、「ネット賭博を行うか否かに関する米国民の自己決定権を回復するために」Frank議員の法案を強く支持すると語った。

 また英国のSecureTrading Groupの最高経営責任者(CEO)であるGerald Kitchen氏は、決済サービスプロバイダーであるSecureTradingでは多様な金融取引を扱っており、その中にはネット賭博に関する取引も含まれていると語った。その上で同氏は、SecureTradingのシステムはBarclays、Lloyds、Royal Bank of Scotlandといった銀行の査察を受けてきており、マネーローンダリング、未成年者の賭博行為、強迫性賭博に対する防御策も講じていると語った。

 「ネット賭博に反対する人々は、一般にこれらの害悪や病気をネット賭博を禁止する理由として挙げているが、これらを防ぐ手段はいろいろある」(Kitchen氏)

 しかし、同法案が下院金融サービス委員会で可決されると決め付けるのは時期尚早だ。同委員会で共和党側の首席委員を務めるSpencer Bachus下院議員(アラバマ州選出)が、ネット賭博の犯罪化を熱烈に支持したからだ。

 Bachus氏は、「非合法のネット賭博を被害者なき犯罪と言う人もいる」とした上で、「(しかし実際には)伝染病のようにまん延し、自殺、犯罪、家族の悲劇といった問題を引き起こす」と警告した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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