インテル、フェイス、吉本興業の3社は3月5日、協業関係を強化し、新たにPC/携帯電話両対応の有料コンテンツ配信サービスを展開すると発表した。第1弾として、フェイスの権利認証技術「Near Field Right Management(NFRM)」を利用した「NFRMサービス(仮称)」の実証実験を3月6日から6月末まで実施する。
NFRMサービスでは、おサイフケータイでコンテンツをダウンロード購入したあと、インターネットに接続したFeliCaポート(内蔵型FeliCaリーダ)付きPCにかざすことで、両方から自由に視聴できる。PCにはあらかじめ専用のプレーヤーを用意しておく必要がある。携帯電話をかざすと自動的にコンテンツのダウンロード、もしくはストリーミング再生が始まる仕組みだ。実証実験の段階で携帯電話はNTTドコモの端末のみに対応しており、無料で提供される専用のiアプリが必要となる。なお、実証実験の期間中、コンテンツは無料で提供する。
違法な複製をせずに、複数の機器で高音質、高画質の同一のコンテンツを利用できるのが特徴という。将来的にはPCだけでなく、各種デジタル家電や車載AVシステムへの対応も目指す。
フェイスはNFRM技術のライセンスのほか、NFRMサービスを利用する企業に対するシステム利用料で収益を上げたい考え。インテルはViivプラットフォームの普及と、PC以外の機器へのインテルチップ搭載を狙う。吉本興業はNFRMサービス向けのコンテンツを新たに制作し、コンテンツの販売拡大を狙っている。
インテルが、エンターテインメント用PC規格「Viiv」に基づくプラットフォームを提供。またViivを採用するメーカーなどに対し、FeliCaの導入や、同サービスへの対応を促す。フェイスはNFRMの開発、提供に加え、携帯電話業界での普及推進を図る。吉本興業は実証実験用ポータルサイトの構築、運営とコンテンツの供給を手がける。
このほかNTTスマートコネクトがデータセンターをはじめとしたインフラを提供。朝日放送(ABC)、日本放送出版協会(NHK出版)、ウォルト・ディズニー・テレビジョン・インタナショナル ジャパンなど16社がコンテンツを供給する。サービス開始時のコンテンツ数は数十個という。
3社は実証実験をへて、早ければ今夏にも商用化する計画。商用サービス時でのコンテンツの価格は「現在の携帯電話コンテンツと同等を目指す。ただし、長編映画の場合は1000円以上になるものもあるだろう」(フェイス代表取締役社長の平澤創氏)とした。課金方法は携帯電話事業者による通信料金との一括払いや、クレジットカードでの支払いなどを想定している。
フェイスは吉本興業らと共同でコンテンツ配給会社のBell Rock Mediaを2005年に設立しており、Bell Rock Mediaに米Intelの投資部門であるIntel Capitalが投資するなど、3社は協業関係にあった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス