最新の放送技術から将来のテレビサービスまで、NHKの研究開発成果が一同に会する「NHK技研公開」が5月24日、東京・世田谷のNHK放送技術研究所で開幕する。超高精細映像システム「スーパーハイビジョン」(SHV)や専用メガネなしで視聴できる立体テレビシステムの最新研究成果が注目を集める中、話題となりそうなのが「アーカイブス・オンデマンドサービス」だ。
「アーカイブス・オンデマンドサービス」とは、NHKが放送した番組をインターネット経由で配信するという、文字通りのインターネット番組配信サービス。すでに保存されている過去放送番組から「見逃し」ニーズにあわせた最新番組まで幅広いコンテンツを用意し、NHK映像コンテンツの有効利用を図るのが狙い。
配信先としてはPC、テレビポータル、携帯電話など様々な内容を想定しており、大容量の次世代ネットワーク・NGN(Next Generation Network)を活用したIPTVサービスについてもサービスイメージが展示されている。また、子供からお年寄りまで簡単に利用できるよう、分りやすいインターフェイスを用意している。
NHKのインターネット経由コンテンツ配信については、国会提出済みの放送法改正案の一部として実施を認める内容が含まれており、その動向が注目されていた。サービスは2008年の開始を目指しており、具体的なイメージを一般公開することで視聴者ニーズを高め、よりサービスインしやすくすることも狙いのひとつと見られる。
これまで大型ビジョンによるデモンストレーション展示が主となっていた超高精細映像・SHVは、各家庭への放送サービス実施を意識した展示が行われる。実に24GbpsにおよぶSHV信号を200分の1程度に圧縮して伝送する仕組みや、100インチサイズのプラズマテレビでSHVを再生するディスプレイ開発などは今回初登場で、「より肉眼に近い映像サービス」の進展ぶりをうかがわせる。
恒例の大画面ビジョンによるデモンストレーションでは、人気の競走馬「ディープインパクト」のラストランとなった2006年12月の「有馬記念」などを上映。22.2chサラウンドによる迫力音声とともに、競馬場特等席の臨場感が味わえる演出を狙った。
「技研公開」は27日まで。観覧は10時〜17時。入場は無料。
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