12月1日は「デジタル放送の日」、安部総理も出席で「第7次行動計画」採択

 地上デジタル放送開始3周年にあたる12月1日、東京・千代田区の赤坂プリンスホテルで「地上デジタル放送全国開始記念式典」(主催:総務省、(社)地上デジタル放送推進協会)が開催され、多くの放送関係者らが会場に集まった。当日は地上デジタル推進全国会議の第5回総会を兼ねており、普及促進に向けた「デジタル放送推進のための行動計画」(第7次)が採決されたほか、今後、12月1日を「デジタル放送の日」と制定することなどが認められた。

安倍総理「デジタル放送の可能性は無限」とエール

 2003年12月1日に関東・近畿・中京の3大広域圏でスタートした地上デジタル放送は、その後も順次、エリアを拡大。2006年12月1日にスタートした36放送局をもって、NHK・民放含めすべての放送事業者がデジタル放送を開始したことになる。これにより、カバー率は全国の約84%に達した。

 会場にはNHK会長の橋本元一氏、日本民間放送連盟(民放連)会長の広瀬道貞氏ら多くの放送関係者が出席。さらには内閣総理大臣の安倍晋三氏も会場に駆けつけ、「災害時のきめ細かな情報の提供や医療・福祉における活用など、公共的な分野も含めてデジタル放送の可能性は無限に広がっている」と祝辞を述べた。

画像の説明 田村総務副大臣(右)から感謝状を受けるNHK・島津有理子アナウンサー

 そのほか、「地上デジタル推進大使」を務める各局の女子アナウンサー、スポットCMでデジタル放送をPRしているタレントの草?剛らも登場。総務副大臣の田村憲久氏から感謝状と記念品を送られた「推進大使」女子アナ6名は、今後も普及のために尽力することを改めて誓った。

「第7次」で見られたニュアンスの変化

 今回採択された「デジタル放送推進のための行動計画」は、大筋として昨年同時期に公表された「第6次」と比較して、数値目標や方針に大きな転換は見られないものの、ニュアンス・表現において改めて明記された部分が見られる。

 最も表現が明確化されたのは、カバーエリア確保に関する「IP網の活用」方針と共同視聴施設に対する改修作業への姿勢について。IP網活用については、前回は「地方公共団体の既存通信インフラの利活用について検討する場合の積極的な協力」という留まった表現が盛り込まれていたが、今回、「公設型の光ファイバー網の活用」として未利用の光ファイバー芯線を放送波の中継伝送などへ有効活用できるよう検討することが明記された。

 全国約2万施設と推計される辺地共聴施設のデジタル化改修については、前回の「周知広報の推進」から「費用負担のあり方に係わる考え方について早急に整理を行う」とされるなど、視聴者側への公的支援の可能性がはじめて指摘される内容となった。

 また、NHKが整備した共聴設備改修について「アナログ放送時と同様の責任を引き続き果たしていくことが基本」とした上で、民放に対しても「国・NHKと協力した必要な援助を行う」との内容が盛り込まれた。

 こうした変化が見られる中、民放連会長の広瀬氏は「海外のデジタル放送化の事例を見ると(視聴者に対する)公的支援が各国で採用されている」と話すなど、今後の視聴者救済措置の可能性を暗示。これまでは放送事業者中心に向けられてきた「公的支援」の投入先がいよいよ視聴者国民に向けられることになるのか、注目が集まる。

 ※「辺地共同視聴施設」:複数の世帯が共同で受信設備を作り、テレビ電波を受信する施設のこと。放送電波が直接届かず、ケーブルテレビ事業者がサービスを行っていない人口非密集地域で行われ、地方自治体およびNHK補助の元で整備されることが多い。

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