Dellは業績転換を迫られている。同社はここ1年の間に、世界第1位のPCメーカーの称号をHewlett-Packard(HP)に奪われ、経営陣には大幅な刷新もあった。なかでも最も注目に値するのが、CEOのKevin Rollins氏が1月に同社創業者と交代したことだった。
IDCの集計によると、デルの2007年第1四半期における世界PC出荷台数は6.9%減少し、これにより同社のマーケットシェアは18.2%から15.2%へと低下したという。
一方、同社最大のライバルであるHPは、第1四半期のPC出荷台数が2006年同期比で28.2%増加した。IDCによると、これにより同社の世界におけるマーケットシェアは16.5%から19.1%に増加したという、
製品の露出度を考えると、Wal-Martでの販売は大半の会社にとって賢明な策だといえる。Dellも、新しい顧客ベースの獲得機会が得られる。Dellが発売を決めたのは、これまでのところローエンドデスクトップ2機種だけだが、そこには特にリスクもない。また、Wal-Martは長期のコミットなども要求しないのが普通だ。
Baker氏は、「こうすれば、最初から大きなリスクを冒すことなく新しいことにチャレンジできると思う。小売業者とどの程度うまく提携できるのか、組織として小売販売をどの程度うまく受け入れられるのか、コントロールできない社外の第三者にどうやって製品を販売させるのか、を試すための1つの方法だ」と語っている。
小売業界に新規参入するDellが得られる経験は、Wal-Mart経由で新たに得られる売上高より重要もしくは有益なものとなる。デスクトップやノートPCを直接顧客に販売するという同社の従来のビジネスを変えると、サプライチェーンの修正や、製品の宣伝手法など多数の変更が必要になってくる。実際の売り上げよりも、試運転をするということの方がおそらくは価値がある、との点ではアナリストの意見も一致している。
Baker氏は、「Dellにとって、売り上げや販売数には必ずしも意味がない。SKU10個単位でWal-Martの各店舗に出荷しても5万台でしかない。彼らに1四半期で数百万台の売り上げがあることを考えればたいした数ではない」と語っている。
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