Microsoftが春季に開催するハードウェアカンファレンスはここ数年、次期Windowsの動向を探る格好の場として注目されてきた。
2007年1月に「Windows Vista」が店頭に並んだことを受けて、毎年2000人以上がロサンゼルスのダウンタウンに押し掛ける年次イベント「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)」も、2007年は様相が少し違っている。Microsoftは今回、Vistaの現状とサーバ製品2種類(「Longhorn Server」と「Windows Home Server」)の展望という、2つの話題を主に取り上げるものと見られている。Longhorn ServerとWindows Home Serverはいずれも、2007年内に完成の予定である。
Windows Client部門ディレクターKevin Kutz氏は「毎回違ったカンファレンスを行っている。どの年も、ハードウェアエンジニアやハードウェア業界全体にとって大きな価値のある催しになっている。より多くの参加者にニュースを提供するという意味で、例年より大規模になる年も確かにあるが」と述べている。
VistaについてMicrosoftは、一般発売から約100日の時点でユーザーがどのような反応をしているのかを説明するものと見られる。
Kutz氏は「現状について、率直な議論をする予定だ」としている。Microsoftは例年、基調講演で優れたWindows用ハードウェアの紹介を行い、個別セッションはハードウェアメーカーと共に問題が発生し得る部分の解決を図ることに当てている。Microsoftはこれまで、たとえば「Windows Media Center」のビデオ品質向上などについて、多くのセッションを行ってきた。
Microsoftの会長Bill Gates氏による基調講演で米国時間5月15日にイベントが開幕し、続いて同社の最高研究戦略責任者(Chief Research and Strategy Officer)であるCraig Mundie氏が登壇する。16日の講演予定者は、サーバ製品担当役員Bill Laing氏のほか、前セキュリティ部門トップで2月からWindowsプロダクトマネージャーに就任したMike Nash氏などである。
Kutz氏は「Windows VistaとWindows Server Longhornの登場により、Windowsプラットフォームが革新の絶好機を迎える、というのが何よりも大きなメッセージだと思う」としている。
Mundie氏がハードウェアやソフトウェアの今後10年について全体的な話をするものと見られるが、Microsoft全体としては、Vistaの次のリリースなど、Windowsの将来に関する議論をあまりしないと予想される。今回のカンファレンスにさきがけて同社は、Vistaの次以降のWindowsについて議論するつもりがないことをほのめかす声明を2月に出している。
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