ネットプライス、中間期売り上げ不振で赤字に--原点回帰の事業再構築図る

瀬井裕子(編集部)2007年05月08日 20時51分

 ネットプライスドットコムは5月8日、2007年9月期の中間決算(2006年10月〜2007年3月)を発表した。今回の中間期は売上高75億7500万円、経常利益6億1800万円の赤字、純利益6億2400万円の赤字となった(表1参照)。2007年9月期通期の業績予想修正値は表2の通り。同社は下半期の事業の方向性について、固定費や管理コストを下げるとともに不採算事業から撤退することで赤字からの脱却を図ると語った。

表1 2007年3月中間期業績(▲はマイナス)
売上高経常利益当期純利益
2007年3月中間期 75億7500万円 ▲6億1800万円 ▲6億2400万円

表2 2007年9月期業績予想数値の修正(▲はマイナス)
売上高経常利益当期純利益
前回発表予想(B) 150億円 3億円 0
今回修正予想(A) 125億円 ▲14億円 ▲18億円
増減額(B-A) ▲25億円 ▲17億円 ▲18億円

 ネットプライスドットコムの中核となるのは、インターネットで購入申し込み者が増えるごとに商品の価格が段階的に安くなる共同購入のギャザリング事業。1週間ごとに利用者からの注文を受けて商品を発注する仕組みで、在庫や店舗を持たないことを強みとして2003年から展開してきた。

 2007年9月期の第2四半期(2007年1月〜3月)では、売り上げの拡大を狙ってアパレル分野で大規模な仕入れを行ったが、売り上げ不振で在庫を抱えたことで赤字につながった。これに伴い、通期となる2007年9月期の業績予想は2006年9月期実績に比べると、売上高は3%減、経常利益は1億7400万円だったのが14億円の赤字、純利益は3億6300万円だったのが18億円の赤字となっている。

 この結果をうけ、同社では下半期の事業について原点回帰とした事業の再構築計画を打ち出した。

 まず、事業の効率性を高めるため、取り扱う商品点数を2割減とし、一商品あたりの売れ行きを伸ばす。売れ行きの悪い商品を整理統合して、管理に必要な人員を減らす。

 また、利益率の悪化に歯止めをかけるため、固定費を8000万円削除する。具体的には希望退職者の募集により人件費を40%削減、役員報酬は20%以上カットし、代表取締役社長の佐藤輝英氏は報酬を全額返納する。広告、販売促進費も50%削減する。

 加えて、事業再構築計画の一環として不採算部門となっていたアパレル通販子会社のエムシープラスを3月末で持分法適用会社に、モバイルコンテンツ開発のメディアンを6月に同社子会社のネットプライスインキュベーションと合併させる。

 同社の子会社であるドロップシッピング事業を手がけるもしもの業績は伸びており「ロングテールの考え方でいうテールを広げていく部分は、子会社の仕組みを使うことで2008年9月期以降につなげていく」と佐藤氏は語る。

 また、佐藤氏は「優良な利用者を抱えていることもあり、ギャザリング事業のモデル自体は問題ない。まずは不採算になっている部分を見極め、高収益な事業にすべく再構築する。5月〜6月が勝負だ」と強い口調で語った。

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