インターネットが世の中に定着して久しいが、PCからインターネットに触れた人と、ケータイからインターネットに触れた人とではその利用方法に大きな違いがあることをご存知だろうか。PCからインターネットに入った人に、今の若手作家がケータイのみを使って340ページもあるケータイ小説を丸々書き上げた、などと言ったら卒倒するであろう。
“キーボード文化”と“親指文化”のジェネレーションギャップと言ってしまえばそれまでだ。しかし、我々が世に打ち出したiモードサービスも今年で8年目を向かえ、導入当初は中学生だった若者も、気付けば今年社会人1年生である。その世代がこれからの社会にどんどん進出してくることを思うと、彼らのリアルな利用方法を知ることは、今後のビジネスの展開を考える上で重要なヒントを得ることになるかもしれない。
少し古いデータで恐縮だが、2006年に総務省が発表した統計資料によると、「PCのみからインターネットにアクセスする人」を、「ケータイのみからアクセスする人」が上回った(最も多いのは両方を使ってインターネットにアクセスする人)。
また、ケータイキャリアが導入したパケット定額制が若年層に普及したことにより、若者の間に新たなケータイの利用方法が出始めてきている。NTTドコモユーザーのパケット定額制利用比率は全体で見ると40%程度だが、驚くべきことに、自分名義で契約している10代に限ると過半数を大幅に上回るユーザーがパケット定額制の加入者となっているのが現状である。
PCインターネットが、ブロードバンド通信が普及することによって大きな発展をしたように、ケータイインターネットはパケット定額制が普及することによって大きく発展している。
ひと昔前まで、長電話の定義を聞いたら「1時間から2時間」と答える層が最も多かったであろう。しかし、翌日の腕の筋肉痛の原因が長電話の結果であるなんて今の若者が聞いたら、驚くかもしれない。
2006年、弊社の調査でケータイを使う若者に長電話の定義をアンケート調査したところ、「5分」という回答が最も多かった。ここからは、若者のコミュニケーションの手法が短縮化してきていることがうかがえる。
これはパケット定額制の普及で、「パケット通信=使い放題(安い)」「音声通話=有料(高い)」の認識となっていることが 要因として挙げられる。「長電話といえば1時間ぐらいでは?」と聞いてみると、「だってメールで事足りるじゃん」「しかも メールに記録も残るし」と言う。いやはや現代の若者は合理的である。
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