ここまで若者のケータイの利用方法を紹介してきたが、決してこの寄稿で 「最近の若者は」とか言うつもりは毛頭ないのである。むしろ全く逆で、今も昔も人の欲望に変化はないというのがわたくしの持論だ。それが テクノロジーの発達に応じて形態を変化しただけであり、根幹を見ればやっていることは同じなのである。
昔教室で小さな紙片をつかって、手紙を回したことを思い出して欲しい。あの小さな紙がメールやコミュニティサイトに変わっただけでやっていることは変わらないのである。
音楽にしても自分の好きな曲だけを集めた「MY BEST」のテープを作っていたことを思い出して欲しい、要するに聴きたい曲は今も昔も1曲、もしくは数曲だったのだが、それを自分でテープにダビングするのか、最初からデジタルでバラ売りされているのかの違いだけである。
企業のマーケティング担当者に言いたいのは、ケータイ世代というだけで「訳がわからない」と切り捨ててしまうのではなく、彼らのやっている行動に着目し、その欲望の源泉を解き明かそうとして欲しいということだ。それが彼らを理解する第一歩なのではないだろうか。要は技術が加わることで、昔自分たちがしていたことがより便利で合理的になっているだけなのである。案外そんなにやっていることは今も昔も変わらないと信じて疑わないのである。
大手企業5社出資の駐車場情報配信会社の設立、運営を経て、2001年NTTドコモに入社。iモードの立ち上げ期から、現在の形になるまでコンテンツ開拓に従事。基準の策定から、新サービスの導入(着うた、着うたフル)まで多くを手掛けた。携わった100万人サイトも多数。2006年より関係会社のドコモ・ドットコムに出向。新たなモバイルビジネスの立ち上げを行っている。
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