カリフォルニア州リバーモアに拠点を置くNovazoneは、貨物船で輸送される果物や野菜が腐るのを防ぐサービスを考案した。
輸送は食物にとって好ましいことではない。国連の統計によると、世界中で収穫された食物の約30%は、小売店に届く前に食べられなくなってしまうという。
「いったん出荷されたら、後のことは予想できない」と、Novazoneの最高経営責任者(CEO)David Cope氏は語る。
Novazoneの「PurFresh System」は、簡単に言えば、同社の既存のオゾン浄化システムを小型化しつつ、強化も果たしたバージョンだ。システムの装置が果物や野菜に微量のオゾンを吹きかけることで、カビなどの微生物を死滅させる。Novazoneは今のところ、出荷されるまでの生鮮食品を貯蔵する冷凍貯蔵設備にシステムを納入しているが、将来的には貨物船や小売店舗にまで設置先を拡大したいと考えているという。
「導入は実に簡単だ。切り刻んだり、ドリルで穴を開けたりといった工事は必要ない」と、Cope氏は説明する。
オゾンの適用量のコントロールは、このシステムで重要なポイントになる。適用量が多すぎると、食品が変色したり、傷んだりする可能性がある。食品が船で運送される間もシステムを稼働させるために、船内に設置されたマイクロコントローラやセンサが、衛星を経由してNovazoneのコンピュータと接続される。同社はこのネットワークを使って、オゾン適用量の監視と調整を行うことになる。このシステムでは、温度や湿度の管理や、警告の送信なども行う。
食物と水は、クリーンテクノロジ市場における成長分野の1つとなってきた。有機農産物の売り上げが伸びており、こうした有機農産物には化学薬品を適用できない。そこで生産者や小売業者は、殺菌や害虫駆除のため、オゾン浄化やバイオ農薬などへの投資を始めている。
PurFreshは、有機農産物にも非有機農産物にも適用できる。貨物船の数も多く、世界中の海に現在140万隻のコンテナ船が航行していると、Novazoneは見積もっている。各貨物船は1年に4回〜6回程度航行し、150個から数百個の食品コンテナを積載できる。コンテナが貨物船から降ろされ、トラックに積み直された後も、浄化システムは稼働を続ける。
Novazoneの計画では、PurFreshを有料サービスとして提供し、航行距離などの諸要素に応じて、1コンテナあたり500ドル〜1500ドル程度を課金することになるという。
誰がその料金を支払うのか、という疑問に対し、状況によっていろいろ考えられる、とCope氏は答えた。小売業者の一部は、自社店舗用にサービスを採用するかもしれない。荷主もまた、プレミアムサービスとして追加する可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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