Jonathan Goodwin氏が、エタノールや水素、バイオディーゼル、天然ガスといった完全にクリーンな燃料で走る車を開発した。燃費は1ガロンあたり40マイル(約64km)に相当するという。しかも、車体は「Hummer」だ。
バイオディーゼル車への改造の専門家で、新興の代替エネルギー会社、SAE Energyの設立者であるGoodwin氏は、マッスルカー(大排気量のアメリカ車)をエコカーに改造するという、クリーンテクノロジー市場の思いもよらない特殊な市場に現れた新星だ。
Goodwin氏はすでに、60台の「Hummer H2」をガソリン車からディーゼル車に改造しているし、約100台の「Hummer H1」の改造も行っている。なかには、全種類のクリーン燃料が利用できるものも1台ある。
MTV Networksの番組「Pimp My Ride」が米国時間4月22日、アースデイにちなんで、Goodwin氏がガソリン車からバイオディーゼル車に改造した1965年型「Chevrolet Impala」の特集をする予定だ。ドラッグレースほどアースデイにふさわしいものはないので、改造されたImpalaは、4分の1マイル(400m)のテスト走行で「Lamborghini」と対戦した。結果は、Impalaの勝ちだった。
「車が持つ楽しさという側面を犠牲にする必要はない。ただ燃料を変えればいいだけなのだ」と語るのはMartin Tobias氏だ。Tobias氏はバイオディーゼル改造企業、Imperium Renewablesの最高経営責任者(CEO)で、同社がMTVに協力して「Pimp My Ride」のバイオディーゼル実験を実施した。「Lamborghiniを完全に負かした。Impalaがゴールに入ったとき、Lamborghiniはまだコースの3分の2しか走っていなかった」(Tobias氏)
クリーンカー市場の成長を支えているのはこのパワフルさだ。クリーンカーを販売しているメーカーにとって、クリーンカーという事実は大きなセールスポイントになるが、だからといって性能が落ちるわけではない。
「最初の電気自動車はゴルフカートのようだった。あれを運転しようと思ったらとんでもなく利他的な精神が必要だった。これを一変させたのがTesla Motorsで、消費者に『何一つあきらめる必要はない』と告げた」とTobias氏は言う。
いずれにせよ、消費者も企業もクリーンカーに関心を抱いているのは明らかだ。販売業者の話によると、バイオディーゼル燃料の台頭によって中古ディーゼル車市場は急速に拡大し、価格も跳ね上がっているという。また、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」の出荷は目覚しい伸びを続けている。
Goodwin氏によれば、保有する配達用ディーゼル車を天然ガス車に改造したいと考えている大手の宅配業者と、現在交渉を続けているところだという。
カンザス州ウィチタを本拠とするGoodwin氏は、自社のサービスを広告やウェブサイトでさほど宣伝していない。宣伝するとあまりにも多くの問い合わせが来るためだ。
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