Hewlett-Packard(HP)はパソコンの製品ラインに新カテゴリーを導入することを計画している。予算は限られているが最高性能のパソコンを購入したいユーザーを取り込みたい考えだ。
HPはこの戦略名をまだ明らかにしていないが、ターゲットとなるユーザー層は明確に想定していると、同社のゲーム事業部門担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャを務めるPhil McKinney氏は語った。「ハイエンド指向だがカスタマイズは必ずしも必要ないという顧客を対象としている」(McKinney氏)
この発表は、2006年にVoodoo Computersを買収して以来好調な発展を見せている、HPのパソコンゲーム分野に焦点をあてたイベントの一環として行われた。Voodooの創設者で現在はHPのゲーム事業部門で最高技術責任者(CTO)を務めるRahul Sood氏は、新戦略について、高性能は求めるが凝ったデザインやVoodooに付属する高価なアクセサリー類は特に必要としない顧客を対象とすると説明した。
Sood氏は「Mercedes-Benz」のブランドを例にたとえた。新戦略の対象分野は、最高級車「Maybach」であるVoodooと、小型車の「Smart」(ただし本田技研工業の「Accord」の方が適しているかもしれない)であるHPの中間にくるものだと語り、加えてCompaqは大衆車の「Chrysler」に例えた。
これは、2005年にDellが「XPS」シリーズを発表したときに日本車市場を例に引いて「Lexus」戦略と呼んだこときわめて似ている。Dellの考え方もほぼ同じで、VoodooやのちにDellが買収したAlienwareといった派手なパソコンを買う余裕はないが、その分野では最高の性能を求めるパソコンユーザーを取り込みたいというものだった。ハイエンドコンポーネントを有するこうした種類のパソコンは、DellやHPにとってローエンド機種よりも利益幅がある。
McKinney氏は、新たな「Mercedes」戦略に関して詳細を多く語らなかったが、「まったく新たに4番目のブランドをつくる予定はない」と言う。現在HPは、Voodoo、Pavilion、Compaqの各ブランドでパソコンを販売している。
新しいシリーズにはデスクトップ、ノートPC、ハンドヘルド機が含まれ、2007年終わりには販売開始となる予定だとMcKinney氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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