低価格のPC販売で業界首位の座に登りつめたDellが、米国時間28日にハイエンド向けのコンピュータやディスプレイ、テレビ製品を発表した。
新ブランドの「XPS」は、同社が6月に発売を約束していたプレミアム製品ライン。シルバーとホワイトの地に黒のアクセントが入った筐体にはXPSロゴが付されており、同社の一般向け製品との違いを際立たせている。
XPSブランドのデスクトップPCには、Intel製のデュアルコアプロセッサ、Nvidiaのグラフィックスカード、最大1 テラバイトのハードディスク、そして強力なネットワーキング機能が搭載されている。
これらの高級機種を投入するDellは現在自らの低価格戦略で苦戦を強いられている。PC市場が活況を呈するなかで、Dellの売上の伸びは2002年のIT不況のどん底以来、初めて前年比15%を割り込んだ。
同社は、この伸び率の低下の原因について、ベーシックモデルの割引き対象を広げすぎたことを挙げ、それによりミッドレンジやハイエンド製品の売上も落ち込んだと述べていた。デスクトップPCが299ドルから、ラップトップで約399ドルからなど、Dellはここ12カ月の間に値下げを繰り返してきていた。
PC業界のアナリストRoger Kayによると、Dellはこのような販売手法の影響を約9カ月前から認識し始めており、それが同社の目をハイエンドの顧客に向けさせることにつながったという。
また、Apple ComputerやAlienware、Voodoo PC、東芝、LenovoのThinkPadまで、プレミアムPCメーカーはその存在感を高めつつあるが、そのこともDellがXPSブランドを投入する動機になったと、Kayは付け加えた。
Dellの新シリーズは、3つのグループ--具体的には、同社のXPS製品を熟知するPCゲームファン、6〜10年前に初めてDellを購入した顧客、そしてホームネットワークに2台以上のコンピュータを接続し、エンターテイメントに対する要求の高い家庭をターゲットにしている。
Dell会長のMichael Dellはニューヨークで行われた発表会で、「われわれは技術に関して多くの経験を持つ顧客にアピールしようとしている」と語った。
デスクトップ機の価格は、XPS 400が1099ドルから、スリム型のXPS 200は1149ドルから、そしてXPS 600は1849ドルからとなっている。これらの価格には、新しい17インチフラットパネルディスプレイも含まれている。
XPS M170というノートPCは、17インチ画面と2GHzのIntel Pentium M Processor 760(2.26GHz版を選択可能)を搭載し、価格は2699ドルからとなっている。
Dellによると、これらのデスクトップやノートPCにはアップグレード用のオプションも用意されており、また別のモデルも順次投入されるという。
今回発表されたPCには、Microsoftの「Windows XP Media Center Edition 2005」が搭載されて出荷されるが、どのモデルも次世代OSの「Windows Vista」が動作可能となっている。Michael Dellは、当初XPSシリーズの製品にはOSのアップグレード用オプションを提供しないものの、同社ではすでに2006年のVista発売に向けて準備を進めていると述べた。
また、Dellはこの高級路線の一環として、ワイド画面を搭載する新型のデジタルテレビ2機種も発表した。「W5001C」という50インチの高品位(HD)対応プラズマテレビは3799ドル、また「W3201C」という32インチの液晶テレビは1799ドルで、それぞれHD対応のチューナーを内蔵する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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