カリフォルニア州裁判所は米国時間3月14日、Hewlett-Packard(HP)スパイ事件に関する同社元会長Patricia Dunn氏に対する起訴を棄却した。
カリフォルニア州検事総長事務所の声明によると、同氏以外の3人の被告、元HP弁護士Kevin Hunsaker氏、私立探偵Ronald DeLia氏、およびデータブローカー会社Action Research GroupのMatthew DePante氏は、同州サンノゼにあるサンタクララ郡高等裁判所において電話通信詐欺との訴因を認めたという。3人は9月12日までに96時間の奉仕活動をするように求められる予定である。裁判所はこの条件が満たされれば、3人に対する起訴を棄却すると述べた。
Dunn氏自身は、異議を申し立てることはなかった。
Dunn氏の弁護士であるMorrison & Foerster法律事務所のJames Brosnahan氏は、「われわれは最初からPattie Dunn氏の無実を主張しており、したがって彼女に対する訴訟において果敢に戦ってきた」と述べた。「今日、裁判所は起訴を棄却した。Dunn氏は何の罪も認否することはなかった。正しい結果であったと思う」(Brosnahan氏)。
カリフォルニア州検事総長事務所は14日、最初は、Dunn氏が電話通信詐欺の軽罪において有罪となる予定であるという声明を発表していた。しかし後になってその予測は誤りであったとする声明を発表した。
「本日裁判所において、Patricia Dunn氏は軽罪判決に対し罪状を認否することはなかった。裁判所は裁量権を行使し、同氏に対する起訴を棄却した」と声明には記述されている。
カリフォルニア州は当初、5人の人物に対し、共謀やなりすましなど4件の重罪で起訴していた。同州は2007年1月、HPの5人目の被告人、Action Research従業員であったとされるコロラド在住のBryan Wagner氏が、取締役会の情報漏えいに関するHPの内部調査に関与していたとして連邦裁判所で有罪判決を受けた際、同氏に対する起訴を棄却した。カリフォルニア州の州法では、被告人が既に他の裁判を受けている場合、州はその人物を起訴することはできないことになっている。
同裁判は、HP幹部らが2006年、社外の調査会社に「プリテキスティング」という他人になりすます方法で、記者や報道関係者に情報を漏えいしていた疑いのある取締役会役員の通話記録を入手させていたことを認めたという騒動に発展した事件に対するものである。この調査を主導していた当時取締役会会長であったDunn氏は、そのような手法を利用していたことは知らなかったと述べ、これを「恥ずべき行為」としていた。
14日の起訴棄却を受けてDunn氏は、安堵の念を表す声明を出した。
「今回の件が公正に解決されたことをうれしく思う。この厳しい試練の間、私を信じ続けてくれた夫や家族に深く感謝したい」とDunn氏は声明で述べた。「最愛の友人や会ったことのない人々までもが、この苦しい時期に暖かく支えてくれたおかげで勇気づけられた。真実が勝ち、公正な判断が下されると常に信じてきたし、実際にそのようになった」(Dunn氏)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス