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「Apple TV」はリビングで革命を起こせるか? - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、緒方亮、小林理子、編集部2007年03月13日 20時48分
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 Apple TVの場合、テレビの視聴者は、iTunesを使ってテレビ番組や映画を購入し、それを802.11nのワイヤレス接続でApple TVの本体にダウンロードするなり、PCやMacからストリーミングするなりして、リビングルームの大画面に送ることになる。Apple TVはIntel製のプロセッサ(「Pentium M」だとされている)、40Gバイトのハードディスク、802.11n対応のワイヤレスチップ、およびHDMIポートとコンポーネントビデオポートを搭載している。

 コンピュータとテレビの掛け橋になろうという計画はApple TV以外にもあるが、まだ消費者の心をつかんでいない。AkimboやMovieBeamといった新興企業が、インターネットからコンテンツを取得するという考え方になじんでもらおうと試みているが、どうしても見たいと思わせる魅力のある番組がなかったり料金プランが複雑だったりして、強い支持を得られずにいる。また、IntelやMicrosoftのような既存企業が「Intel Viiv」や「Windows Media Center」のロゴが付いたPCを大量に売り出しているが、実際にテレビと合わせて使われている形跡はほとんどなく、そもそも、こうしたPCの多くがテレビチューナを搭載していない。

 「エンターテインメントの主な供給源をインターネットにする限り、消費者が自ら接続してネットワークを構築しなければならない点が、最大の課題の1つになると私は思う」とAbraham氏は話す。同氏によると、家庭内にワイヤレスネットワークを設置する人は増えてきているが、映像を扱えるようにワイヤレスネットワークを設定するのはそれより難易度が高い。

 Appleが勝るとすればこの部分だと、アナリストの間では考えられている。iSuppliのアナリストChris Crotty氏は「Appleの強みの1つは、洗練されたソリューションによる使いやすさだ」と話す。無線による家庭内メディアネットワークをいち早く導入した人たちが直面した煩わしさを、Appleが取り除くことができるならば、消費者はこれまでよりも挑戦してみる気になるかもしれない。

 Apple TVの想定される購入者で、ComcastやDirecTVの接続環境をすぐに手放す人はほとんどいないと見られている。

 セットトップボックスのメーカーでもあるMotorolaで、コネクテッドホームソリューション部門のシニアディレクターを務めるJeff Binder氏は、Apple TVは「われわれが将来的に目指す方向を垣間見せるものだが、現在の消費者の大多数に向けられた既存のインフラと共存するものではない」と話している。

 ケーブルテレビや衛星放送は専用ネットワークだとBinder氏は言う。このため企業はさまざまなプロトコルで映像を送信できる。つまり、インターネット接続によって入ってくるほかのデータパケットに邪魔をされることがないのだという。既存の機器メーカーは、高解像度コンテンツを最大解像度の1080pでストリーミングするためには、これが重要だと考えている。

 Appleは、iTunes Storeで販売可能なテレビ番組や映画について契約締結を急いでいるが、ケーブルTVや衛星チャンネルなどの企業は無数のコンテンツをオンデマンドやペーパービューといった形式で契約者に提供を開始している。

 また、これらの企業は、コンテンツ配信の将来におけるインターネットの重要性も認識している。「コンピュータ、またはコンピュータのブロードバンド接続を通しての方が、セットトップボックスに比べて、消費者は得ることができるコンテンツは多い」とCrotty氏は述べる。

 このような理由から、AppleがApple TVで802.11nチップを使ったのと同様に、セットトップボックスメーカーは、既存のケーブルや衛星放送接続とともに、インターネット接続と内蔵ネットワーク機能を加えたデバイスを開発している、とCisco SystemsのScientific Atlantaで製品戦略およびマネージメント担当ディレクターを務めるDave Clark氏は述べる。

 映像がその本質ともいえる部分で急速に変化していることから、どのビジネスモデルやデバイスが最終的にリビングの中で普及するか、誰にも分からない状態にある。

 例えば、Apple TVがDVDプレーヤーを置き換えると考えることも可能だ、とDeutsche BankのアナリストChris Whitmore氏は述べる。これはApple TV発表のプレスリリースでAppleが用いた例だ。レンタルCD店Blockbusterや、郵送で映画をレンタルできるNetflixを利用する代わりに、iTunesのボタンを押して、映画をダウンロードする。

 Amazon.comからNetflix、さらにはWal-Martまで、多くの企業がインターネットで映画を配信する方法に目を向けている。また、同市場に参入して数年が経つMovielinkなどのサービスもある。

 しかし、これらの企業は、映画の再生に必要なハードウェアをコントロール下に置いていない。Appleは、iTunes Storeでコンテンツ配信モデルを確立し、利用が簡単そうでスタイリッシュなApple TVを用意した。これはiPodと同じ成功の方程式である、とCrotty氏は述べる。

 「PCやリビングへのネットワークを使いオンラインビデオが普及する可能性を秘めた初めてのことだ」(Crotty氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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