インテル、反トラスト訴訟の証拠書類を紛失 - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年03月06日 20時18分

 またIntelは、2005年10月に数百人の従業員が作成した文書を毎週保存するバックアップテープを設置した。問題の電子メールの多くもそれらのテープに保存された可能性がある。しかし、リストに掲載されている全ての従業員が、データ保存の目的で設置された特別なメールサーバに移行していたわけではなく、またテープの一部は「リサイクルされた」とIntelは書簡の中で述べている。

 AMDはFarnan判事に対し、Intelに同社の文書保存ポリシーおよびさまざまなミスに関する十分な説明と、実行可能な改善措置についての調査を命じるよう求めた。

 AMDは裁判所に提出した文書の中で次のように述べている。「Intelは、同社が作成し、保存した大量のバックアップテープに保存されていた全てのデータを復元することに合意したが、これにより一度失われたら復元が難しいデータ、特に2月までいかなる形でも保存されていなかった3分の1の従業員の文書を元に戻せるとある程度の自信を持って言える人は1人もいない」

 カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くFenwick & West法律事務所の反トラスト担当共同チェアを務めるMark Ostrau氏によると、大半の反トラスト訴訟で問題になるのは、特定の行為の影響であって、必ずしも行為そのものが問題になるわけではないので、1つの文書やメールの紛失がAMDの訴訟に大きな影響を与える可能性は低いという。しかし、(Intelにとって)マイナスイメージであることは間違いない、と同氏は付け加えた。

 「このような状況では、企業は(紛失した)文書の実際の内容よりも悪い立場に立たされるという逆の結果を招く場合が多い。というのは、人々は最悪の事態を想定するからだ」とOstrau氏は語る。「(紛失した)文書が実際は完全に無害な内容であっても、誰もそれに確信は持てない」(Ostrau氏)

 一般に、文書の紛失といった問題はまれにしか発生しないが、現代のように記録を電子的に保存する時代ではそのような問題がより頻繁に発生する、とOstrau氏は指摘する。「実のところ、この時代に文書保存ポリシーに従うことは大変困難なことだ」と同氏は語る。実際、Fenwick & West法律事務所には、電子記録管理を専門に扱う弁護士や技術の専門家が多数揃っている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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