ソニー、2007年の製品トレンドは個人のカスタマイズ性重視へ

文:Erica Ogg(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年02月28日 18時44分

 ラスベガス発--世界有数の認知度を誇るブランド企業が、技術そのものに焦点を当てた製品ではなく、個人に焦点を当てた製品を売り込もうと考えているようだ。

 ソニーの製品担当幹部は当地で開催の2007 Line Showで、「コモディティ化」について語った。Line Showは、ソニーが毎年開催する発表会で新商品を披露する場になっている。ノートPCのカラーバリエーションから、テレビに天気予報や交通情報を配信するといったコンセプトなど、コモディティ化と戦うためのアイデアは多岐にわたった。

 PCやテレビの価格が急落しているため、家電製品メーカー各社は何かしらの付加機能が付いた製品を投入し、消費者に低価格モデルよりも高額モデルを購入してもらうことに力を注いでいる。

 今回のイベントでも、「ライフスタイル」や「エモーショナル」「エクスペリエンス」といった言葉が技術仕様よりも頻繁に飛び交い、2007年は、カスタマイズ性の重視を反映した製品ラインアップになっている。

 ソニーは以前、テレビメーカー各社とともに、「液晶やプラズマなどの薄型テレビは、消費者の間でいわゆる『ライフスタイル製品』の地位を確立している。その傾向は、標準的なブラウン管テレビに対するものよりずっと強い」と述べたことがある。

 消費者の多くが、「家庭に溶け込む工業デザイン」がテレビを購入するときの最も重要な基準の一部になっていると、ソニーのテレビ担当バイスプレジデントであるPhil Abram氏は述べている。

 米国時間2月27日に開かれたソニーの今後の戦略を明かす説明会では、実際の技術とは関係がないにもかかわらず、テレビの表面カバー(ベゼル)の話が真っ先に話題にあがった。Abram氏は、「カラーベゼルは今後も用意していく」とし、パーソナライゼーションに目を向けたソニーの2007年のトレンドとして、カラーバリエーションの追加を付け加えた。その人気には「自分たちも驚いた」という。

 ソニーは、技術面にも話を広げ、「2007 Consumer Electronics Show」で初めて明らかにした「BRAVIA Internet Video Link」技術について説明した。PCを介さずにYahooやAOL、Grouper、さらに将来的にはNetflixなどといったプロバイダーからオンラインビデオコンテンツをダウンロードすることで、ケーブルテレビや衛星放送以外の選択肢も提供するのがソニーの目標だという。

 その後技術面の話題に踏み込んだソニーは、「2007 Consumer Electronics Show」で初めて明らかにした「BRAVIA Internet Video Link」技術の説明に力を入れた。PCを介入させずにYahoo、AOL、Grouper、そして将来的にはNetflixなどといったプロバイダーからオンラインビデオコンテンツをダウンロードすることで、ケーブルテレビや衛星放送以外の選択肢も提供するのがソニーの目標だ。また、この技術はエンターテインメント以外にも、交通情報、天気予報、RSSフィードを直接テレビへ配信する実用的な使い方もある。

 ソニーによると、他社の低価格製品との差別化を目指し、将来的にはVAIOノートPCの戦略もその大部分をパーソナライゼーションが占めるようになるという。

 VAIO担当バイスプレジデントであるMike Abary氏は、「すさまじい値崩れが起きてきた。(小売業者が)利益ゼロで販売するケースも見られた」と述べている。コモディティ化が続くと、競合製品がひしめく市場では付加価値を高めるだけでなく利益を出すことも課題になってくると、Abary氏は加えた。

 どうやら、ソニーの出した回答はカラーバリエーションのようだ。2006年、VAIOには青、赤、茶、オレンジ、緑の各色が用意された。PCで標準的なグレー、ホワイト、ブラック系以外のカラーリングは人気を呼んだが、これは、ピンクの「Motorola RAZR」や赤い「iPod」が普及していることを考えれば不思議ではない。

 新しいカラーバリエーションには特に女性が敏感に反応したと、Abary氏は語っている。同氏によると、ソニーは、VAIOノートPCのカバーに刻印を行うオプションも投入し、このトレンドを活用していくという。また、デザインに関してストリート系アーティストなど人気のアーティストなどと協力する可能性もあるという。

 ソニーはさらに、新しいリビングPCの「VGX-TP1」に大胆なデザインを採用してきた。白い光沢のある丸い形状のボディデザインになっている。なぜ、これをソニーのほかのリビングルーム製品のように四角く黒いデザインにしなかったのだろうか?そこには、室内装飾に溶け込ませ、リビングPCを「パーソナルでエモーショナルな使用感」を求める選択肢にする狙いがあったと、VAIO担当プレジデントのHideyuki Furumi氏は述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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