ヤフーは2月21日、オンライン出前サービス「出前館」を運営する夢の街創造委員会の株式を公開買い付け(TOB)により取得すると発表した。公開買い付け日は3月1日。これにより、同社の株式の41.84%を持つこととなる。なお、夢の街創造委員会の大阪証券取引所ヘラクレス市場への上場は維持するという。夢の街創造委員会はこの買い付けに賛同する声明を発表しており、友好的TOBとなる。
ヤフーは現在、夢の街創造委員会の株式4000株(発行済み株式数の23.24%)を保有する筆頭株主だ。ヤフーは現在、地域情報サービスの強化を進めており、夢の街創造委員会との連携を強めることで、レストラン情報などを提供する「Yahoo!グルメ」のコンテンツを充実させ、テイクアウトの予約や食材宅配といった分野に進出することを狙っている。
今回、ヤフーがTOBに踏み切ったのは、株式買い取り後の議決権数が全体の3分の1以上になる場合、証券取引法においてTOBが義務づけられているためだ。
ヤフーは全発行済み株式の18.1%にあたる3200株を、1株あたり40万1190円で取得する。この価格は1月22日から2月22日までの株価終値平均で、2月20日の終値に対して4.9%のディスカウントとなる。買い付け総額は12億8300万円だ。なお、買い付け予定数を超える応募株券の買い付けはしないとしている。
すでにインデックス・ホールディングス(インデックスHD)が、同社が所有する株式3200株について、公開買い付けに応じる旨の声明を発表している。インデックスHDは事業投資の一環として夢の街創造委員会の株式を保有していたが、ヤフーからの要請があったこと、また経営資源の集中と選択を進めていることから、売却を決めた。この売却により9億6400万円の利益を得る見込み。なお、インデックスHDは引き続き夢の街創造委員会の株式220株(発行済み株式数の1.3%)を保有する少数株主となる。また、今回の株式売却に伴い、同社子会社のインデックスと夢の街創造委員会の間で結んでいた、「モバイル出前館」の運営に関する共同事業契約は解消する。
夢の街創造委員会は今回の株式公開買い付けについて「従来以上に当社とヤフーの結びつきが強まることは協業において大きなメリットがある。また、これまで連携が遅れていたモバイル分野においても、Yahoo!モバイル上における出前館の展開など、これまで以上に両社の連携を強められる」として賛同の意を表明している。
なお、夢の街創造委員会は21日、2007年8月期の中間期業績予想を修正している。新規店舗の開拓が遅れたことや広告代理事業の受注件数が少なかったことから、売上高は2006年10月の予想値より3043万5000円少ない3億7000万円となる見通し。ただし、オーダー手数料の売上が好調だったことなどから、経常利益は2006年10月の予想値を326万1000円上回る9800万円、純利益は同605万1000円上回る3100万円になるとしている。
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