ベルギーで審理されていた著作権を巡る裁判で、Googleに不利な判決が下された。著作権に詳しい法律専門家らは現地時間2月13日、これはほかの欧州諸国における裁判に影響をおよぼす可能性があるが、より許容範囲の広い法律を施行している米国の裁判所は左右されないだろうと述べている。
ベルギーの裁判所は現地時間2月13日、検索大手Googleに対して、フランス語およびドイツ語で書かれたベルギーの新聞記事の一部を「Google News」およびベルギー版Google検索サイトに掲載しないよう命じ、先に下していた同様の判決を追認した。一方で、Googleがこの裁定に同意したことから、同社が命令に応じなかった場合に支払わなくてはならない罰金を1日あたり130万ドルから3万2500ドルへ減額した。
今回の判決は、同件に関してGoogleに下された2度目のものである。Googleが2006年9月に敗訴したあと、本裁判は再審理が行われていた。Googleは2006年末に、ベルギーのジャーナリストやカメラマンと和解したものの、新聞各社の代表団体であるCopiepresseとの交渉は不調に終わった。Googleは再審理が行われている間、裁判所の命令を遵守していた。
Googleの広報担当によれば、同社は裁定を不服として控訴するという。
広報担当のRicardo Reyes氏は、「今回の判決には失望している。われわれは、Google.beおよびGoogle Newsは完全に合法で、貴重かつ重要な情報をインターネットユーザーに提供していると信じており、判決に控訴することを決めた。ただし、記事やその他の素材のコンテンツ所有者がGoogleサイトからコンテンツを削除したいと望む場合は、その旨を通知すべきだという当社の主張に判事が同意したことは歓迎している。これまでと同じく、われわれは素材の削除に関するあらゆる要請に応じるつもりだ」と述べた。
「Google検索およびGoogle Newsでは、テキストのほんの一部しか表示していないという点が重要だ。記事全体を読みたければ、ユーザーは当該の情報が掲載されているウェブサイト運営者のサイトを閲覧する必要がある。ウェブサイトへのアクセスの価値を高めるという点で、検索エンジンは運営者に大きな利益をもたらすものだと、われわれは考えている」(Reyes氏)
著作権に詳しい法律専門家らは、このたびの判決はGoogleに強いメッセージを発信するものだと指摘している。
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