Googleが、オンライン上での映画の海賊行為を可能にするソフトウェアを販売していたウェブサイトの運営者らを支援したとして非難されていたことが裁判所文書から明らかになった。
この訴訟は、大手映画製作会社で構成される団体がEasyDownloadCenter.comやTheDownloadPlace.comなどのウェブサイト所有者2人に対して起こしたものだ。Googleは、同訴訟の被告として名前が挙がっているわけではない。裁判の対象となっている問題のサイトは、映画の海賊行為を支援するソフトウェアを販売していたとされる。そのソフトウェアを使用することにより、ユーザーはPtoPファイル共有ネットワークの映画を検索し、それらを自分のハードドライブにダウンロードすることができる。
同訴訟は、2005年にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提起された。訴状によると、被告らは、自分たちのサイトがあたかも合法的なサイトであるかのように装い、Googleの検索サイト上で最近リリースされたばかりの映画を検索すると表示されるスポンサーリンクを使って、自らのサイトへのアクセス数を増やしていたという。それに対し、被告らはこの容疑を否認した上で、彼らはGoogleから映画のタイトルを有料のキーワードとして使用するよう提案されたと主張している。
被告のBrandon Drury氏に電子メールで同訴訟に関するコメントを求めたが、回答は得られなかった。また、同じく被告のLuke Sample氏からもコメントは得られなかった。訴状によると、ミズーリ州出身の両被告は、すでに問題のサイトの運営を自発的に休止したという。
Wall Street Journal紙は米国時間2月12日に、この訴訟を最初に報じた。その中で、同紙は匿名の情報筋の発言を掲載している。それによると、被告らは、GoogleのAdWords販売担当者から「pirated(海賊版の)」や「bootleg movie download(海賊版映画のダウンロード)」などのキーワードも購入するよう提案されたと主張しているという。また、Googleのある従業員が被告らの宣誓陳述書を裏付ける供述を行い、裁判所がその供述を認めたとも話している。
Googleにこれらの供述についてコメントを求めたところ、次のような回答が返ってきた。「われわれは広告主らが、著作権を侵害しているコンテンツの販売の宣伝目的でわれわれの広告プログラムを使用することを禁じている。われわれは常に、ポリシーに反する広告を排除するシステムの向上を図っている。非常に多くの広告主が、われわれの広告コンテンツポリシーを遵守している。われわれは、このポリシーを遵守しない広告主にわれわれのプログラムを利用させないよう努めている」
またWall Street Journal紙の記事によると、Googleは9日に原告との電話会議を開催したという。その中でGoogleは、特定の好ましくない広告の削除、認可された広告主のリストの作成、ウェブサイトが海賊版コンテンツの宣伝用として使用するキーワードの販売拒否、キーワードの監視に関するガイドラインの導入、広告販売員に対するそれらの広告の見分け方や販売防止の教育を実施すると述べたという。
Googleは、2006年に16億4000万ドル相当の株式で買収したビデオ共有サイトYouTubeとともに、著作権という名の危険な海域を航行しているような状況だ。その最中に、今回の訴訟とGoogleに対する数々の疑惑が浮上したのだ。報道によると、Googleは著作権問題をめぐり複数のメディア企業と交渉中とのことだが、一方で同社はYouTubeの事業をめぐりメディア企業から批判を浴びている。例えば、2月はじめには大手メディア企業のViacomがYouTubeに対し、同社の番組を使って作成されたビデオクリップを削除するよう命じた。また先週には、News Corp.の最高経営責任者(CEO)であるRupert Murdoch氏がYouTubeのビジネスモデルを疑問視する発言を行った。さらに、NBC Universalの新CEOも最近、GoogleとYouTubeが海賊行為防止技術の導入に消極的だとして非難した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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