NTTコムウェアは2月6日、MITメディアラボの石井裕教授が提唱するTangible(触れて知覚しうる)ユーザーインターフェースを応用し、離れて暮らす一人暮らしの高齢者宅などを光の色の変化や音などでさりげなく見守るシステム「Tangibleリモートケア」を開発したと発表した。
Tangibleリモートケアは、高齢者宅の居室に複数設置された人感センサーで人物の位置や状況を自動認識し、どの部屋にいるのかといった情報や、入浴時間が長いなどの危険と想定される情報を、離れて暮らす家族宅へ「オーブ」や「アンビエンスボード」などのTangibleメディアを用いて伝えるシステム。
オーブでは光の色の変化を用いて、アンビエンスボードではポインターが指し示す位置で情報を伝える。オーブ2つを用いたシステムの場合、一方のオーブは高齢者がどの部屋に居るかを(例えば、青はリビング、黄はダイニング、緑は風呂など)、もう一方は危険な状況かどうかを、青(平常)、黄(注意)、赤(危険)の色の変化で表現する。
双方に設置することで、家族宅と高齢者宅間で、相互に生活の雰囲気を伝え合うことができ、気になったときに自宅のオーブへ目を向ければ、直感的に相手の状況を把握できる。互いに一緒に暮らしているかのような雰囲気を共有でき、高齢者が抱く孤独感を和らげることができるという。また、カメラなどではなくセンサーを利用し、光や音という感覚的なインターフェースを用いることで、プライバシーを保護し、人に意識的な負担をかけずにお互いの生活状況を見守ることができるようになっている。
このほか、外出もしくは就寝後には、開閉センサーが自動的に窓の開閉状態を監視し、就寝後に開くと侵入とみなして警報音などで侵入犯を撃退するとともに、遠隔地の家族宅へも音やメールで警報を発するといった防犯機能も提供する。
また、プログラムの追加により、「火の消し忘れ通知」「部屋間の移動回数の増減などによる体調バロメータ表示」、またGPS携帯電話などと連動させて「登下校時の学童プレゼンス表示や危険通知」といった新機能の提供が可能。また、新しいメディアの増設も可能で、設置後の変更や拡張にも対応できる。
NTTコムウェアでは、ケアハウス事業者、老人ホーム事業者、介護サービス事業者、高齢化の進んだ地域の自治体・自治会や、一人暮らしの高齢者宅と家族宅、単身赴任者とその家族、一人暮らしの子供とその家族などでの利用を見込んでいる。
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