カリフォルニア州サンタクララ発--Intel Researchが心配性な保護者のために究極の赤ちゃんモニターを開発した。
この実験システムは、乳児用マットレスの下に置かれた複数のセンサーと壁に埋め込まれたカメラで構成される。同システムは、乳児の心拍数や体温、動きを観察したり、映像を録画したりするほか、写真撮影まで行ってくれる。ここで取り込まれたデータは、保護者のPCへと送られる。
同システムは、保護者に乳児の情報をより良い形で提供することを目的に作られているが、これを娯楽のための用途に使うこともできる。例えば、このシステムを使って乳児を毎晩撮影し、それらの画像をつなぎ合わせれば、乳児の発達記録ビデオが出来上がる。また、Intel Researchは、ビデオカメラを内蔵したテディベアのぬいぐるみも開発している。
人類学者Brooke Foucaultは「人々はもっと自然な画像が欲しがっている」と説明する。「プライバシーの問題があるのは明らか」とFoucaultは言う。Foucaultは25の家族にこのモニタリングシステムを使ってテストしてもらった。
遠隔監視は、当地にあるIntel Researchの本社で米国時間8日に開催された年次研究会の主要テーマの1つだった。同研究会では、ハイテクを駆使した遠隔監視のモデルが多数発表される。Intelの研究者はここ数年間、コンピューティング業界が次に取り組むべきテーマは、情報を持て余す人類のために情報を取り込んで管理する「主体的な」マシンの設計だとしている。
これらのシステムを役に立つ技術と見るか、「監視社会」への危険な第一歩と見るかは、個々の人間の使い道や性格、思想によって違ってくるだろう。だが、いずれにせよ、プライバシーの問題は同社でも詳細に検討されている。
このほかにも、家中の物にRFIDセンサーを取り付け、家の住人がスプーンを動かしたり、テレビを付けたりしたことを、遠隔地のコンピュータに伝える実験も行われた。
これを見て、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」で描かれた世界を思い出す人も多いかもしれない。だが、このシステムは本来、高齢者の日々の生活の様子を親族や介護の専門家に提供するために設計されている。高齢者が薬を摂取したかどうかをこのシステムを使って正確に確認することは出来ないかもしれない。しかし、ある特定の薬びんがある特定の時間に動かされたかどうかを確認することは可能なのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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