幕張発--松下電器産業が新しいロボットを開発している。今度は家庭用のペットロボットではない。
松下電器の大坪文雄社長は幕張メッセで開催中のCEATEC JAPANで、高齢者や障害者の補助を目的とするロボットのプロトタイプを2つ公開した。CEATEC JAPANは10月7日まで開催される。
最初のロボットは、フォークリフトのような2本の腕で、寝ている人を床から持ち上げ、別の部屋やベッドに運ぶことができる。
「われわれの社会では今、70代の人が90代の親の面倒を見ている状況だ。このプロトタイプはまだ大きいし不格好だが、今後は小型・軽量化し、機能面でも充実させていく予定だ」と大坪氏は語る。
2つめのロボットは、片腕が不自由な人のリハビリを支援するものだ。自由に動く方の腕に取り付けたセンサーが、筋肉の動きと圧力を感知する仕組みになっており、このデータがもう一方の腕を包み込んでいるロボットに伝わると、正常な腕と同期した動きをするというもの。松下電器は他の企業と共同でこのロボットを商品化を検討している。
「まもなく、このロボットは家の中でおどおどせずに使える商品になる」と大坪社長は言う。
松下電器のこれらのロボットは同社が最初に作ったロボットからはかけ離れたイメージのものであり、同社が「アメリカンスタイル」のロボットの開発に一歩歩み寄ったことを示すようにも見える。松下電器の最初のロボットは、猫と熊のぬいぐるみのような外観をしたペットロボットだったが、売れ行きは決して良くなかった。ソニーや本田技研などもコンパニオン型ロボットに取り組んでいるが、売り上げは順調ではない。
こうした状況であるにも関わらず、コンパニオン型ロボットは次々と登場している。CEATECでは、NECが「PaPeRo」を披露している。このロボットは約650語の人の言葉を聞き分け、インターネットから天気予報などの情報を仕入れたり、侵入者を検知して危険を知らせたりすることもできる。
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