2006年PC出荷は前年比3.6%減の1364万台--ガートナー調べ

 ガートナー ジャパンのデータクエストは1月29日、2006年の日本のPC市場の出荷台数を発表。それによると、大規模企業の買い換えの「谷」と個人需要の減退が影響し、ベンダー出荷台数は前年比3.6%減の1364万台となった。

 企業市場、政府・官公庁市場、教育市場からなる法人市場は中小規模企業市場が新規購入および買い換えなどへの積極的な投資を継続的に行ったことから、2ケタ成長を維持。その一方で、大規模企業市場は西暦2000年問題前後に購入されたPCの多くが2004年に買い換えられたことから、2006年における需要は少なく2ケタの減少。法人市場全体では前年比0.2%減(シェア59.3%)となった。

 個人市場は地上デジタル(地デジ)テレビに需要が奪われたことやWindows Vista出荷前の消費者の買い控えおよびベンダーの在庫調整などが影響し、前年比8.0%減(シェア40.7%)となった。

 さらに同社では個人需要の低迷について、消費者にとって魅力的な新しい要素に乏しいことやユーザーの二極化などが根底にあると見ている。

 なお、2006年におけるPCの出荷台数の上位5社は1位がNEC(前年比6.7%減、シェア20.0%)、2位が富士通(前年比2.4%減、シェア17.8%)、3位がデル(前年比14.5%、シェア13.6%)、4位が東芝(前年比6.6%増、シェア10.2%)、5位がソニー(前年比3.3%増、シェア6.6%)で2005年からの順位の変動はなかった。

 上位5社ベンダーの中で唯一、2ケタ成長だったデルは価格競争で他社をリードしたことに加え、防衛庁(現・防衛省)の大規模案件を受注したことが貢献した。

 同社では2007年について、1月30日よりVistaが一般向けに提供開始することからPCを買い控えていた個人ユーザーの需要増加が期待できるほか、2007年後半には大規模企業市場の一部で買い換え需要の増加が期待できることからPC市場は出荷台数でプラス成長に転じると予測する。

 ただ、Vistaの発売開始当初の影響は限定的であること、法人市場全体が本格的な買い換えサイクルに入るのは2008年であることから、成長率は1ケタ中盤程度にとどまる見通しとしている。

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