三菱電機、北海道大学(北大)、情報通信研究機構(NICT)、科学技術振興機構(JST)の4組織は1月15日、共同開発した単一光子源による量子暗号通信装置を用い、世界最長という80kmの量子暗号原理検証実験を成功させたと発表した。
量子暗号は、盗聴されるとその事実を検知できるという原理を持つ暗号方式。ただし、従来の量子暗号通信システムのほとんどは擬似的な単一光子源を用いているため、同じ情報を運ぶ光子が2個以上発生することがあった。その結果、そのうち1個の光子を取り出されて盗聴されると、盗聴の事実を検知できない。
4組織はこの問題を解決するため、単一光子源ベースの量子暗号通信装置に取り組んで生きた。今回、同時に2個以上の光子が発生する確率を1万分の1以下に抑えた単一光子源(北大とJSTが開発)を用い、三菱電機とNICTが精度と安定性の高い量子暗号通信装置を開発した。
この通信装置を実際に動かしたところ、単一光子源としては「世界最長」(4組織)という80km間の通信に成功した。
今後は、装置の小型化と高速化に取り組み、5年後を目標に実用化を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス