加えて同社は、DNGの所有権を放棄する計画があることも明言している。「まず1社ないし2社の主導で標準化を素早く開始した後で、その成果を標準化団体に移譲した方が、単一の団体だけで開始するよりも効率的だろう」(Hogarty氏)
DNGは広く浸透するには至っていないが、Adobeに味方するカメラメーカーもある。以下に例を挙げよう。
「私たちがカメラを設計するときには、カメラを長く使い続けられるようなオプションを必ず考える。レンジファインダーカメラに採用されているレンズマウント方式は、52年以上前から現在まで変わっていない。この事実は、LEICAというブランドを象徴している」とLeicaの北米地域担当マーケティングマネージャーChristian Erhardt氏は述べる。同氏は、DNGにもその永続性があると語る。「DNGでも、今後50年間にわたってファイルが開けるようであればいいと思う」(同氏)
「DNGは、色収差をカメラレンズから自動補正する同機のハイエンド機能に対応していない。また、今後のモデルに搭載される予定の、レンズのゆがみやビグネッティングと呼ばれる光量低下を補正する機能にも対応できないだろう」とHasselbladの地域営業担当マネージャーVictor Naranjo氏は語る。「つまり、現時点ではDNGで直接撮影する機能は提供できない。将来的には可能になるかもしれないが」
以上の企業を除き、DNGサポートをサポートするメーカーはほとんどない。
例えば、キヤノンと並ぶデジタル一眼レフの強豪メーカーであるニコンは、今のところ同社のカメラでDNGフォーマットをサポートする計画はないとしている。理由の1つとして、標準化の進まないDNGが同社の技術革新の足を引っ張りかねないという懸念を挙げている。
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