Adobe Systemsは米国時間27日、業界標準となることを狙った新しいデジタル写真フォーマット、および写真データを同フォーマットに変換するためのツールを発表した。
同社が今回発表したDigital Negative(DNG)フォーマットおよび変換ツールにより、ユーザーは画像のRAWファイルを同フォーマットに変換して保存することが可能になる。RAWファイルとは、カメラ内部での付加的な処理が施される前の画像データのこと。この変換処理は、RAWファイルの情報に修正が加えられるJPEGやTIFF形式で画像を保存するのとは異なる性質のものだ。
Adobeは、現在使用されているRAWフォーマットについて、カメラ機種によってフォーマットが異なるため、アーカイブに用いられたフォーマットの中には将来サポートされないものが出てくるリスクがあると述べる。
DNGフォーマットは、デジタルカメラやプリンタ、ソフトウェア製品で無償で用いることができ、法的な制限も設けられていない。
変換ツールも同様で、AdobeのWebサイトより無償でダウンロードできる。
Adobeはこれまでも自社製品をデファクト・スタンダードにするための取り組みを行ってきたが、今回発表されたDNGフォーマットでも同様の戦略が採用されている。例えば、同社はPDF(Portable Document Format)仕様を寛容な条件の下で公開しており、他のソフトウェアメーカーは自由にこのフォーマットを使用することができる。
「クライアントや出版社は、異なるRAWファイルフォーマットに対応することを煩わしく感じているほか、現在のRAWフォーマットが10年後もサポートされているか確信を持てずにいる」とAdobeのデジタルイメージングおよびビデオ製品担当シニアバイスプレジデントBryan Lamkinは声明のなかで述べている。「われわれは顧客から、RAWファイルの統一された公開フォーマットを策定して欲しいという要望を受けてきた。それが今回のDNG発表につながった」(Lamkin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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