総務省はこのほど、IP化の進展に対応した通信端末について、広く円滑な利用を推進するための通信端末の機能のあり方や必要となる方策を検討する「IP化時代の通信端末に関する研究会」を開催すると発表した。12月7日に第1回会合を開き、その後も月1回のペースで議論を進め、2007年6月末をめどに報告書を取りまとめる方針。
総務省によると、今回の研究会設立は、現在、国内における社会基盤となっている情報通信ネットワークのIP化の進展が背景。また、このようにIP化された時代において、多様な端末が各アプリケーションを実行するために適切な品質で通信を行うには、品質の確保やセキュリティ等の機能をネットワーク側だけに求めるのではなく、通信端末との連携による機能の実現を望ましいとし、双方の有効なあり方を技術的および法律的観点を中心に検討していく。さらに、これらの設備がもたらず経済的効果や消費者が選択すべき商品として、消費生活に根ざした観点からも議論を行うという。
おもな検討事項は「IP化の進展を踏まえた通信端末のイメージ」、「IP化の進展動向に対応した通信端末に必要な機能」、「IP化の進展に対応した通信端末の利用に向けた課題、およびその対応策」など。具体的には、持ち運び先ですぐに使えるか、通信事業者をまたいだ場合の互換性、タグの機能、ゲーム機器など、多方面からそれぞれの機能全般を洗い出し、基本機能、および付加機能の可能性を探ることで、IP化時代の通信端末として理想とされるあり方を最大公約数的に追求したいとしている。
また、そうした機器を今後どのように標準化すべきかについて、法律的に取り得る手段や自由競争的あり方など、公平、中立性の観点でも議論する。
同研究会の発足にあたっては、次世代ネットワークのあり方について検討する、同省の「ネットワークの中立に関する懇談会」において、通信端末についての検討も必要だという意見が上がり、2006年9月ごろから準備が進められてきたという。
研究会のメンバーは、学術研究者をはじめ、弁護士、通信事業者、電機メーカー役員、消費者団体の代表者などで構成。相田仁氏(東京大学大学院教授)、弁護士の稲垣隆一氏、花澤隆氏(NTT常務理事)、弓削哲也氏(ソフトバンクテレコム専務取締役)、渡辺文夫氏(KDDI理事)、後藤幹雄氏(電通総研常務取締役)など、25人が参加する。
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