AMDは11月29日、コードネーム「4x4」と呼ばれていた新プラットフォーム「Quad FX」を発表した。
Quad FXはマザーボード上に2つのCPUソケットを用意し、デュアルコアのプロセッサ2基を2枚搭載した、PCヘビーユーザー向けのプラットフォームだ。ビデオ編集や画像編集、ゲームなど複数の高負荷アプリケーションを同時に実行できるという。Windows XPやWindows Vistaの各バージョンにも対応するが、デジタルコンテンツの管理や編集機能を備えるWindows Vista Ultimateに最適な環境を提供するという。また、マルチコアプロセッサ同士を高い帯域幅で接続する「DSDC(Dual Socket DirectConnect)アーキテクチャ」を備える。
Quad FX向けに発売されるプロセッサはFX-70(2.6GHz)、FX-72(2.8GHz)、FX-74(3.0GHz)の3種。発売当初は単体販売せず、PCに組み込んだ形で販売する予定だ。また今後は時期を見て2個入りで単体販売する。価格はそれぞれFX-70が599ドル、FX-72が799ドル、FX-74が999ドルとなっている。
米国時間11月29日にはAlienwareがnVidiaのビデオカードを搭載したQuad FX対応PCを発売する。国内では2007年1〜3月には発売する予定だ。
AMDでは現在、ビデオカードでnVidiaのみをローンチパートナーとして挙げている。先日買収を完了したATI Technologiesブランドでのチップセット提供の可能性について、AMDでは「nVidiaは4x4のパートナーであり、我々は選択肢を重視する企業であるとだけ申し上げる」と説明するにとどまった。
日本AMD マーケティング本部 デスクトップ/モバイル プロダクトマーケティングの土居憲太郎氏は「マルチスレッド」「マルチタスク」という言葉に対して、複数のアプリケーションを同時に起動させるだけでなく、負荷の高いアプリケーションを複数立ち上げることが可能な「メガタスキング」の実現を提唱する。たとえば、ゲームを2つ同時に立ち上げた上でビデオのエンコードをおこなう、といった具合だ。
将来的にはクアッドコアプロセッサを利用することで、同じプラットフォームを使って、将来的に8コアまでの拡張が可能になる予定で、土居氏は「我々の製品はスケーラブル。マザーボードに先行投資いただければずっと長く使える」と語る。2007年発表予定のクアッドコアCPUであるコードネーム「Barcelona」にも対応する予定だ。
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