Advanced Micro Devices(AMD)がリビングルーム用PCを試作した。この分野にはいくつもの企業が挑戦しているが、大きな成功とはなっていない。
ステレオセットに似た同PCは、基本設計として、音楽、動画、テレビ番組、写真などを保存し、プラットパネルテレビや他のPCに送信する。この試作品は、PCメーカーへの参照設計として利用されるであろう。
AMDの消費者事業担当コーポレートバイスプレジデントであるJoe Menard氏は、「PCは将来においてリビングルームに進出する。しかし、PCとは違う外見になっているだろう」と、サンノゼで今週開催の「Samsung Executive Summit」で行われたインタビューで発言した。同氏は、このようなPCが2007年には投入されるかもしれないことも付け加えた。
GatewayやCompaqなどの企業が、リビングルームへPCを進出させようと取り組み、PCと接続した大きなプロジェクション型テレビを売り込もうとした。しかし、高価格のため、売り上げはいまひとつだった。
2004年のはじめ、IntelのPaul Otellini氏がConsumer Electronics Show(CES)で「Entertainment Personal Computer(EPC)」を発表した。EPCは、見た目が大きく、ファンもうるさかったため、売り上げは伸びなかった。同社はその後、EPCを改良し、Viiv PCを発表している。しかし、Viiv PCの多くは、リビングルームのラックに収まるほど小さくはなく、標準的なデスクトップやノートPCと同じサイズだ。
Appleが2005年に発売したMac Miniも、評価は高かったが、大きなブームとはならなかった。
リビングルームに進出したIntelベースのコンピュータもあるが、それらはPCとはいえない。東芝のDVDプレイヤーはx86チップで動いている。一部のセットトップボックスもIntelチップを搭載している。
では、過去に失敗してきたリビングルーム用PCのコンセプトが、今回は成功するというのは何故だろう。チップの冷却システムが改良され、コンピュータメーカーはファンを取り除くことができるようになるからだ、とMenard氏は説明する。
Microsoftがまもなくリリースする「Windows Vista」では、高品位(HD)コンテンツをPCで楽しむことができる。これは消費者にとって、リビングルーム用PCを選択する動機になるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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